研究課題/領域番号 |
10670797
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
城野 昌義 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (90117359)
|
研究分担者 |
本多 三男 (本田 三男) 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任 (20117378)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 皮膚腫瘤型ATLL / 皮膚紅斑丘疹型ATLL / 菌状息肉症様ATLL / HTLV-1キャリアに生じた非ATLL皮膚リンパ腫 / HTLV-1 proviral DNA / 皮膚腫瘤型(tumoral t.cATL / L) / 皮膚紅斑丘疹型 / 菌状息肉症様 / HTLV-1 proviralDNA / 皮膚型ATL / L(cATL / HTLV-1Ab(+)T-ML / 菌状息肉症様(MF-like cATL / 皮膚紅斑丘疹型(erythemato-papular t.cATL / HTLV-1Ab(+)MF / 菌状息肉症 / HTLV-1proviralDNA |
研究概要 |
成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)では、抗Human T-lymphotropic virus type 1(HTLV-1)抗体陽性で示唆されるHTLV-1の感染が生じ、その数十年後にHTLV-1の単クローン性組み込みが証明される白血病またはリンパ腫として発症する。本症では白血病型以外に、リンパ節に初発または原発する病型(リンパ腫型ATLL)、皮膚に初発または原発する病型(皮膚型ATLL : cATLL)、少数のATLL細胞が末梢血液中に存在するが明らかな臓器病変を確認出来ない病型(くすぶり型ATLL)などが確認されている。その中で、本研究の対象であるcATLLを58例集積した。集積症例の検討から、cATLLの診断は、白血病、節性リンパ腫および皮膚以外の節外性リンパ腫を見い出せない事と、臨床・病理組織学的に認められた皮膚腫瘍組織でHTLV-1 provirral DNAが証明される事で行えた。この診断基準の確立によって、HTLV-1抗体陽性・HTLV-1 proviral DNA陰性の臨床・病理組織学的皮膚リンパ腫が10例発見された。臨床・病理学的内訳は、皮膚腫瘍を特徴とするT細胞リンパ腫[HTLV-1 Ab (+) T-ML]が3例、菌状息肉症[HTLV-1 Ab (+) MF]が5例、Sezary症候群[HTLV-1 Ab (+) SS]が1例、NK細胞リンパ腫[nasal type]が1例である。それぞれは各疾患に合致する予後を示した。一方、cATLLはその臨床・病理組織像によって、皮膚腫瘍を特徴とする皮膚腫瘤型と、菌状息肉症類似例[MF-like cATLL]と丘疹を呈する例を一括する皮膚紅斑丘疹型に2分され、統計上それぞれは有意に異なる予後を示した。前者ではγインターフェロンが、後者では多剤併用化学療法が第1選択であることが判明した。一方HTLV-1キャリアーに生じた非ATLLリンパ腫では、各疾患に従来行われてきた治療法に従うべきであることが判明した。表皮内・真皮乳頭層でのATLL細胞の増殖にはランゲルハンス細胞が必須で、同細胞が分泌するサイトカインに注目して検索したが、確定には至らなかった。
|