研究課題/領域番号 |
10670845
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木梨 友子 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (80252534)
|
研究分担者 |
櫻井 良憲 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20273534)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 熱中性子捕捉療法 / 突然変異 / 熱外中性子 / HPRT / HPRT mutation / CHO cells |
研究概要 |
熱中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy;BNCT)における照射内に含まれる正常細胞への障害度を調べるために、京大原子炉実験所で得られる熱中性子及び熱外中性子をチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)細胞に照射しHPRT遺伝子座の突然変異発生頻度を求めた。また、ホウ素の存在下で同様の実験を行い、ホウ素による突然変異への影響を考察した。次に、突然変異細胞のクローン細胞よりDNAをPCR法により増幅してHPRT遺伝子座の9つのExonを解析した。次に、正常組織の放射線防護の可能性を模索することを目的に、熱および熱外中性子照射におけるDMSO(Dimethyl sulfoxide)の突然変異誘発抑制効果を検討した。 CHO細胞への熱中性子および熱外中性子のHPRT遺伝子座の突然変異発生頻度はγ線と比べて同じ致死効果の照射線量で比較すると、熱中性子モードで1-1.7倍、混合モードで、1.7-2倍、熱外中性子モードで、6.3倍、突然変異の発生頻度が高かった。又、10ppmのホウ素の存在下では,熱中性子モードおよび混合モードでは、突然変異の発生頻度はわずかに上昇したが、熱外中性子モードの場合は突然変異の発生頻度に変化は認められなかった。現在、BNCTで用いている熱外中性子の割合が15.2%の混合モードでは、熱中性子のモードと比べて、ホウ素が存在すれば、突然変異発生頻度の増加は認められない。HPRT遺伝子座9つのExonの解析では、熱中性子および熱外中性子照射に誘発された突然変異はX線やγ線と比べて有意に遺伝子全欠損型や部分欠損型のタイプが多く、点突然変異型の発現は少なかった。DMSOの効果については、HPRT遺伝子座の突然変異発生頻度はDMSOの存在下では、熱中性子および混合モードで約2分の1に低下したが、熱中性子モードでは約3分の1に著明に低下した。
|