研究分担者 |
古賀 博文 九州大学, 医学部・附属病院, 医員
林 和孝 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (00325458)
桑原 康雄 九州大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30150436)
中川 誠 九州大学, 医学部・附属病院, 医員
藤原 雅人 九州大学, 医学部, 助手 (30304794)
吉田 毅 九州大学, 医学部, 助手 (40284509)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
1.本研究は,ポジトロンCTを用いて生体内エストロゲン受容体(以下、ERと省略)を非侵襲的に測定し画像化する方法を確立し,乳癌の新たな診断法および治療方針の決定法を開発することを目的とする。 2.エストロゲン受容体結合薬剤である16α-[^<18>F]fluoro-17β-estradiol(以下、FESと省略)を,16-epiestriolより作成した前駆体と院内サイクロトロンにて作成した^<18>Fより合成し、放射化学的純度98.2±0.95%,比放射能36.5±1.25GBq/μmolを得た。 3.脂溶性薬剤であるFESの可溶化剤として,5%エタノール、Tween80,5%ヒト血清アルブミンの3種類を用い,未成熟雌SDラットにて体内分布と集積の特異性を検討した。 4.ER豊富な子宮のFES集積は,いずれの溶媒にても投与60分以内に最高値3.29〜5.40%ID/gを示したのち漸減した。この集積はエストラジオールにて12%以下に抑制された。ERのない筋肉のFES集積は低値で(投与7分後に最高値0.88%ID/g以下),エストラジオールにて抑制されなかった。この結果,FES集積の特異性と溶媒に影響されないことが確認された。全身の推定被曝線量はそれぞれ5.97x10^<-6>,5.95x10^<-6>,6.08x10^<-6>Gy/MBqと差はなかった。 5.投与後1ヶ月間の観察で死亡例はなく,体重・各臓器重量に異常はなく,FESの安全性が確認された。 6.SDラットにDMBAで誘発した乳腺腫瘍では,FES投与60分後のFES集積は0.14±0.06%ID/gで,非特異組織の筋肉集積の4.5倍であった。また,FES集積はER濃度と有意な相関を示した(r=0.45,P<0.05)。 7.以上の結果より,FESはERの測定を特異的にかつ安全に行える有用な薬剤であり,ポジトロンCTによる生体内ERのの画像化に使用可能と考えられた。
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