| 研究概要 |
1.幼若期から成熟期にかけての転移現象及び二次部位てんかん原性の成熟に伴う変化
幼若期に獲得した二次部位てんかん原性の成熟に伴う影響について扁桃核キンドリングラットを用いて検討した.生後15日齢,18日齢,28日齢,40日齢の幼若期のラットでは,70日齢のラットと同様に陽性転移現象かみられた.しかし,幼若期に獲得された二次部位てんかん原性は70日齢で再キンドリングを行ったところ,に生後28日齢までの二次部位のてんかん原性は成熟後には消失していたことから,28日齢以下で獲得されたてんかん原性は成長に伴い修飾され,その効果は減弱されることが示唆された.
2.扁桃閣キンドリングの発作発展段階とてんかん原性の維持
扁桃核キンドリングにおけるけいれん準備性の強さが,部分発作段階と二次性全般化の段階で異なるかを検討した.2カ月間の刺激休止後に再キンドリングを行った結果,部分発作段階で刺激を休止した群では初回のキンドリング効果が減弱していたことから,けいれん準備性の強さは発作段階により異なることが示唆された.
3.ラット扁桃核キンドリングモデルにおける海馬シナプトゾームからのアミノ酸遊離
扁桃核キンドリングラットの海馬シナプトゾームから遊離されるアスパラギン酸,グルタミン酸,GABAのアミノ酸量を測定した.アミノ酸の基礎遊離量はキンドリング群では対照群に比べて低下し,また脱分極刺激による誘発アミノ酸量は,GABAのみキンドリング群で低下していたことから,キンドリングにより抑制性アミノ酸神経伝達機能の低下が生じることが示唆された.
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