研究課題/領域番号 |
10670948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
待井 隆志 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50124780)
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研究分担者 |
柴野 賢 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
池田 弘和 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10311755)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | Hairy cell leukemia / B細胞増加症 / リンパ増殖性疾患 / クロナリティ / コビキチン / アポトーシス / Rho / 細胞形態 / ヘアリー細胞白血病 / B細胞 / ユビキチン / 造血抑制 / リンパ球増加症 / clonality / 免疫グロブリン / 決色体 |
研究概要 |
臨床的、血液学的にHairy cell leukemia (HCL)に類似するが、多クローン性のB細胞増加を示すリンパ増殖性疾患(hairyB-cell lymphoproliferative disorder;HBLD)について検討した。 1)当初の4症例に加え、新たに3例を見いだし、HBLDの特徴をより明確にするとともに、欧米で報告されている持続性多クローン性B細胞増多症(PPBL)との異同を明らかにした。7例中2例で、多クローン性増加を示すB細胞中にclonalなB細胞の小分画を検出し、1例には染色体異常を見いだした。この異常クローンは観察期間中持続してみられたが、クローンの拡大はみられなかった。 2)我々はHCL細胞の分泌する造血抑制因子を単離し、これがユビキチン(Ub)であることを報告したが、本研究ではその抑制機序を検討した。細胞外Ubは種々の血液細胞株の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導した。IL-6依存性KT3細胞では細胞外Ub、添加によりSTAT3が選択的に抑制された。さらに、UbはSTAT3と結合し、プロテアーゼ依存性にこれを分解することが明らかとなった。またUbがHBLDの病態(血球減少症)にも関与することが示唆された。一方、HBLD細胞はIL-6には反応せず、Ubはその増殖、分化には影響を示さなかった。 3)HBLDにおけるB細胞増加の機序について、ウイルス、サイトカイン、免疫異常、HLA表現型などについて種々検索したが、有意の結果は得られなかった。一方、HCLおよびHBLD細胞形態に対する低分子量G蛋白ファミリーの関与を検討し、これらの細胞の最も端的な特徴である細胞形態(hairy appearance)にRhoおよびCdc42が関与することを見いだした。HCL細胞株を用いてこれらを確認するとともに、低分子G蛋白の上流、下流で機能する分子の発現、活性化をしらべ、HCLおよびHBLD細胞における増殖、分化、アポトーシス等との関連についても検討を予定している。
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