研究課題/領域番号 |
10670950
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
本田 繁則 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00303959)
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研究分担者 |
富山 佳昭 (冨山 佳昭) 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80252667)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | APS / β2GPI / annexin V / aPL / CL / PS |
研究概要 |
本研究では、抗リン脂質抗体症候群(以下APS)のモデル動物を用いてリン脂質に対するモノクローナル抗体を作製しそのエピトープを同定する。さらに、血小板や内皮細胞におけるphospholipid(PL)の細胞膜表面への発現機序を明らかにすることで、APSにおける血栓形成機構のメカニズムの一旦を明らかにし、新しい治療法の可能性を検討する事を目的としてる。 抗リン脂質抗体のエピトープの決定:我々は今回の計画でW/BF1マウスより6種類のモノクローナルな抗リン脂質抗体(aPL)を作製することに成功した。そのうち数種類がβ2GPIに対する抗体であることが明らかとなった。興味あることにこれらの抗体のうち2種類は酸化LDLとも交差反応することを証明した。さらに、これら抗体のβ2GPI上のエピトープを決定するために、5つのドメインをもつβ2GPIの各ドメイン部分を個別に欠失させた変異蛋白を作製し抗体との結合を検討した。6種類の抗体を何れもこれら変異蛋白とは結合しなかった。このことからaPLの対応抗原はリニア構造ではなく5つのドメイン部分からなる立体構造により構成されていると考えられた。 細胞膜表面へのPS発現機構に関する検討:aPLの血栓形成にはβ2GPIやannexin Vなどのphospholipid-binding protein(PBP)が膜上のPL、特にカルジオリピン(CL)やphosphatidylserine(PS)と結合することが重要であるが、これらは通常膜の内側に存在しており、アポトーシス時にしか外側へ露出してこない。我々は各種アゴニスト刺激により膜表面上(血小板、内皮細胞)にCLやPSがどのように発現されるのか(膜のflip-flop)、APS患者と正常との間で検討した。その結果、APS患者血小板において膜上へのPL誘導がわずかに亢進しておりaPLの血栓形成機序(Fcレセプターを介した血小板の活性化など)を考える上で重要と考えられた。
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