研究課題/領域番号 |
10670958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
麻生 範雄 熊本大学, 医学部, 講師 (50175171)
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研究分担者 |
麻生 範雄 熊本大学, 医学部, 講師 (50175171)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / AML1遺伝子 / 点突然変異 / 転写因子 / runt family / PEBP2β / 白血病発症機構 / AML1 / MTG8融合遺伝子 / ルント領域 |
研究概要 |
AML1は急性白血病で最も頻度の高い染色体転座点に位置し、白血病の発症に関与している。AML1は造血に関わる種々の分子の転写を調節する転写因子でrunt領域でPEBP2βとヘテロダイマーを形成すると同時にDNAへ結合する。我々は白血病細胞においてAML1遺伝子の点突然変異を見出した。本研究ではまず160例中8例に見出したAML1の点突然変異の機能解析を行なった。ミスセンス変異の3例ではDNA結合能の低下および転写活性化能の消失を認め、正常AML1の機能を抑制していることが明らかになった。ノンセンス変異の2例は両対立遺伝子ともにDNA結合能の低下、転写活性化能を認ず、AML1の機能を全く消失していた。次に、120例の急性白血病においてPEBP2β遺伝子の変異は見出されなかった。さらに、初期のスクリーニングにおいて高頻度にAML1遺伝子変異を検出したM0症例における検索を行なった。その結果、30例中6例に新たにAML1遺伝子変異を証明しえた。すなわち、AML1遺伝子変異はM0という病型との密接な相関が証明され白血病発症機構に強く関与していると考えられた。6例のAML1遺伝子変異はすべてrunt領域に集中し、欠失や挿入によりフレームシフトを来たす異常であった。DNA結合能や転写活性化能は現在検討中であるが、いずれもAML1機能消失を来たしてAML1 haploinsufficiencyとなっていると考えられる。高率に急性骨髄性白血病を併発する家族性血小板異常症の原因がAML1遺伝子のhaploinsufficiencyであることが1999年秋に報告された。このようにAML1遺伝子の点突然変異は白血病発症を来たしやすくする素因としてその発症機構に深く関与していることが明らかになった。
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