研究課題/領域番号 |
10670975
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
木村 暢宏 福岡大学, 医学部, 講師 (40136445)
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研究分担者 |
田村 和夫 福岡大学, 医学部, 教授 (60145422)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | Vβレパートリー / ドナーリンパ球移植 / 同種骨髄移植 / T cell receptor / GVL / T cell recepton / TCR |
研究概要 |
AML1/MTG8融合遺伝子をもつAML(M2)は、長期寛解例にもPCR法によりminimal residual diseaseの存在が確認されるが、その意義は明らかでない。この様な寛解例には、AML1/MTG8融合蛋白に対する特異的な免疫機構が存在する可能性がある。HLA-A24に結合が予想されるMTG8のぺプダイドを用いて特異的CTLの誘導を単球由来樹状細胞を用い健常人より試みた。MTG8b aa182-191特異的なCTLが3line誘導でき、その形質はCD2+3+4-8+25+56-94-の特徴のαβ-T細胞である。HLA拘束性はHLA-A0201に拘束されることが判明。これらCTLのTCRvariable reagion(V)を簡略inverse RT-PCR法で検討したところ、主にVβ14,Vβ15とVα17を使用。またCDR3領域を構成するJβ遺伝子も限定。PCR-SSCP解析によりこれらCTLがオリゴクローンである事が判明した。 b3a2のキメラ蛋白を有すCMLの同種骨髄移植後再発の症例に、ドナーリンパ球輸注療法(DLI)を行った。2回施行後、b3a2のCMLクローンは消失しGVL効果をみた。GVHDは生じなかった。臨床経過の4つの時点で、骨髄中のαβ-T細胞のVレパートリーを解析。DLT後BMに、Vβ5aとVβ3,Vβ4に限定されたVβレパートリーの偏りを見た。限定されたJβの使用もVβ5aとVβ3に認められた。CDR3領域の限定された使用は、特定の抗原に反応するTリンパ球であること、すなわちVβ5aとVβ3のαβ-T細胞がCTLであることが示唆された。 以上のことから、HLA拘束性のT細胞クローンを悪性造血器疾患個人で特定でき、前もって効果を予測できる細胞免疫療法が臨床的に行えることが示された。
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