研究課題/領域番号 |
10670977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | (財)佐々木研究所 |
研究代表者 |
山田 俊幸 財団法人佐々木研究所, 細胞遺伝部, 主任研究員 (20183981)
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研究分担者 |
米山 ひとみ 財団法人佐々木研究所, 細胞遺伝部, 研究員 (30290977)
根岸 文子 財団法人佐々木研究所, 細胞遺伝部, 研究員 (40177902)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | PU.1 / 赤白血病 / 細胞分化 / アポトーシス / Diffrential Display法 / Defferential Display法 / 赤白血球 / 分化 / Differential Display(DD)法 |
研究概要 |
PU.1は骨髄単球系細胞およびBリンパ球系細胞の分化に必須な転写因子である。一方、赤血球系細胞における活性化がマウス赤白血病(MEL)発症の原因のひとつである考えられている。我々は発現ベクターによりPU.1を過剰発現したMEL細胞に分化誘導剤DMSOを投与しても分化誘導は起こらずアポトーシスが誘導されることを見い出した。本研究においては、Differential Display(DD)によりこの過程で発現が変化する100個の既知遺伝子と151個の未知遺伝子を単離・同定した。 発現の上昇した既知遺伝子には、細胞周期や細胞増殖に関与するもの、骨髄単球系細胞やBリンパ球系細胞の分化の関与するものが、一方、発現の低下した機知遺伝子には、ミトコンドリアの機能に関わるのもが含まれており、これらの遺伝子がMEL細胞の分化抑制やアポトーシスに関与するものと考えられた。またPU.1を過剰発現したMEL細胞では、DDにより単離された以外にもGM-CSF受容体や、CD19など骨髄単球系やBリンパ系細胞の特異的な遺伝子の発現が上昇しており、細胞は付着性になり、ラテックスビーズに対する貪食能も認められ、さらにアポトーシスはGM-CSFの投与により部分的ではあるが回避された。これらの結果から、PU.1の過剰発現よりMEL細胞の分化方向がシフトしているものと考えられ、このことと分化抑制との間に関連がある可能性が推察された。 一方、発現の上昇した未知遺伝子の中には、筋肉細胞や神経細胞の分化や生存、マクロファージの活性化等に関わる転写因子MEF2Cに一部相同性を持つものが存在した。現在この遺伝子のクローニングを進めている。 今後は、今回単離された遺伝子について遺伝子導入実験等を用いてMEL細胞の分化抑制、アポトーシスへの関与を明らかにしていきたいと考えている。
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