研究課題/領域番号 |
10670998
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
高畠 利一 島根医科大学, 医学部, 教授 (60111762)
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研究分担者 |
川端 雅彦 島根医科大学, 医学部, 講師 (70291466)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 高血圧 / 微小循環 / 糸球体硬化 / 腎機能 / 糸球体内圧 / 血管作動性物質 / ネフロン / ラット |
研究概要 |
対象と方法:麻酔下の9-25週齢の高血圧自然発症ラット(SHR)を用い、腎クリアランスと微小穿刺実験を行った。さらに9-10週齢のSHRで、アデノシンとアドレノメジュリンの影響を検討した。ヘンレ係蹄灌流時の近位尿細管stop flow圧(SFP)の減少率により尿細管糸球体フィードバック(TGF)の反応性を評価した。SFPは糸球体内圧を反映する。 成績:1)9-10週齢よりSHRの全身血圧は高い。GFRは正常血圧WKYラットと差はないが、腎血漿流量(RPF)はSHRで小、腎血管抵抗(RVR)はSHRで大きい。14-16週齢でも同所見である。2)SHRとWKYのSFP減少率は、9-10週齢でそれぞれ33、22%とSHRで大である。14-16週齢では両群の減少率は28%と差はない。適齢間では非灌流時のSFPに差はない。3)アデノシンA1受容体拮抗薬を全身投与すると、SFPの減少率は明らかに小となり、糸球体内圧は上昇、TGF曲線は上方向にシフトした。全身血圧は不変、RVRは下降、GFRとRPFは増加し、Na排泄率(FENa)は増加した。4)アドレノメジュリンを全身投与すると、SFPの減少率はWKYと同程度にまで小さくなった。糸球体内圧は不変、TGF曲線は尿細管液流量増大の方向(右)にシフトした。全身血圧とRVRは下降、GFRは不変、RPFは増加、FENaは軽度増加した。 結論:SHRのTGF反応は9-10週齢の高血圧発症初期では亢進し、糸球体内圧は正常域にある。A1受容体拮抗薬とアドレノメジュリンは、ともにTGFの亢進を抑制する。前者は輸入細動脈拡張により糸球体高血圧と過剰濾過をもたらし、後者は輸入、輸出両細動脈の拡張により糸球体内圧を正常に保つ。アドレノメジュリンは、TGFの正常化、Na利尿、全身血圧の下降に働いて、SHRの糸球体硬化の発症、進展を抑制する可能性がある。
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