研究課題/領域番号 |
10670999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
宮本 賢一 徳島大学, 医学部, 教授 (70174208)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | スタニオカルシン / フォスファトニン / 腎 / 低リン血症 / トランスポーター / Phosphatonin / PEX / Kidney / Phosphate |
研究概要 |
フォスファトニンはX-連鎖性低リン血性クル病の原因と考えられ、ビタミンDや副甲状腺ホルモン(PTH)にかわる新しいタイプのカルシウム・リン調節ホルモンである。すでに、我々はフォスファトニンによる腎近位尿細管のリン輸送担体遺伝子発現の制御を指標に、本分子のもつ生理機能について研究を進めてきた。それらの結果、フォスファトニンは骨芽細胞より分泌され、血中において細胞膜結合型メタロエンドペプチダーゼ(PEX)により切断され不活性化型フォスファトニンとして存在するが、活性型ピタミンDやPTH濃度の変化によりPEXの発現低下が引き起こされると、活性型として腎近位尿細管Na/リン輸送担体発現やビタミンD合成系に働き、血中カルシウム・リン比を制御する。よって、フォスファトニンはPTHやビタミンDからの情報を特異性の高いシグナルに転換し標的臓器に伝達する新規の血中カルシウム・リン濃度調節ホルモンと考えられる。 我々は、フォスファトニン作用を有する因子を同定する目的で、ヒト骨肉腫細胞のcDNAを作成し、遺伝子クローニングを行った。得られた分子は302個のアミノ酸をコードし、すでに報告されているカルシウム調節ホルモンStanniocalcinに34%の相同生が見られた。そこで、Stanniocalcin2(SCT2)と命名した。STC2をCHO細胞で発現させ、その機能を解析した結果、腎リン輸送活性およびその遺伝子発現を制御することを新し、フォスファトニン様機能の存在を確認した。さらに、その発現をノーザン分析法にて検討した結果、骨や小腸をはじめ多くの組織にその発現が確認された。また、その発現は、カルシウムやリンにより変化した。リン輸送担体遺伝子プロモーター領域をルシフェラーゼ遺伝子上流に結合し、その作用を調べた結果、明らかに転写活性を抑制した。以上より、STC2はフォスファトニン様機能をもつリン調節因子である可能性が推察された。
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