研究分担者 |
絵本 正憲 大阪市立大学, 医学部, 助手 (90275248)
川岸 隆彦 大阪市立大学, 医学部, 講師 (60224739)
西沢 良記 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00128745)
稲葉 雅章 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00176405)
MATSUMOTO Naoki Osaka City University, Postgraduate Student
田原 英樹 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60305620)
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研究概要 |
2型糖尿病性腎症患者の腎内血行動態を,超音波ドプラ-法を用い腎血流抵抗指数RI値を求めて評価した.1.腎血行動態,動脈硬化,腎機能の関係.早期腎症の糖尿病患者61名の糸球体濾過率(GFR)を測定し,頚動脈内膜中肥厚度(IMT)、頚動脈硬化(stifness β)、RI値を求めた。多変量解析で従属変数GFRには,IMT,stifness β,RI値がそれぞれ有意な影響因子であった.全身の動脈硬化症と腎内動脈硬化症が糸球体濾過率低下に影響することを示した(Taniwaki H, et al. Diabetes Care21:1848-1855,1998).2.Angiotenisin converting enzvme(ACE)とnitric oxide svnthase(ecNOS)遺伝子多型の腎血行動態への影響・糖尿病患者123名のRI値と,ACE遺伝子多型,ecNOS遺伝子多型との関係を検討した.腎症各病期においてACE遺伝子多型,ecNOS遺伝子多型の頻度に有意差を認めず,各ACE遺伝子多型,各ecNOS遺伝子多型におけるRI値には有意差を認めなかった.重回帰分析では従属変数RIに対して、年齢と罹病期間が有意な影響因子であり,ACE遺伝子多型やesNOS遺伝子多型の有意な影響は認めなかった(Taniwaki H, et al. in submission).3.腎不全における血行動態異常.糖尿病性腎不全(DM-CRF,48名)と非糖尿病性腎不全(nonDM-CRF,42名)のRI値を比較検討した。DM-CRFのRI値はnonDM-DRFのRI値より有意に高値であり,重回帰分析では,糖尿病の有無,年齢,s-Crが有意な影響因子であった(R^2=0.563,p<0.0001).DM-CRFではnonDM-CRFより腎硬化症が進行していることが示唆された(Matsumoto N et al. Nehron、in press).4.腎内動脈硬化症の腎血管拡張反応への影響. nitroglycerine(NTG)0.3mg負荷後のRI値の変化につき検討した.糖尿病患者(118名)ではNTGに対する反応性が低下しており,喫煙者や顕性蛋白尿菅者ではさらに反応性が低下していた(松本他,糖尿病性腎症11巻、印刷中).またarginine点滴負荷での内皮依存性の腎血管拡張反応は糖尿病患者で有意に低下していた(Kawagishi T, et al. Arterioscler Thromb Vas Biol 19:2509-2516,1999).
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