研究概要 |
上皮におけるCa channel分子を明らかにするために、ショウジョウ蠅のTRP/TRPLを参考にホモロジークローニングを行い(1)Trp3SV,(2)SIC,(3)VR2,VRL,VRL-B,(4)rECaC,mCaT,(5)Trp9,10などと名づけたクローンを単離した。 (2)については前回までに報告した。(1)は細胞内Caと脱分極によって活性化されるCatoin channelであることがわかった。脳、心に分布しているようで、ユニークな性格を有している。現在論文を執筆中である。(4)については、他施設より、先に報告されたが、ともにげっし類でクローニングし比較検討できたのは我々が初めてで、腎臓と12指腸に発現しているCation channelであることがわかった。特にECaCはビタミンDによって転写活性が上がることが知られており、腎上皮Ca輸送にもっとも重要なチャネルであった。CaTも腎臓にあり、おのおの尿細管の発現部位が異なっていた。ともにCa/Naが20以上でCaに選択性の高いチャネルで機能的には似た性質を持っていた。細胞内Caによって負の調節を受けており、血清のCaからCa-sensing receptorを介して、機能調節されていることが想像できる。本研究ではこの電気的性質を明らかにしたところで、現在論文を執筆中である。さらに抗体を作って、発現調節について、検討している。
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