研究課題/領域番号 |
10671026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小祝 修 東京理科大学, 理工学部・応用生物科学, 助教授 (50132923)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ビリルビン / クリグラーナジャー症候群 / 遺伝病 / 黄疸 |
研究概要 |
クリグラーナジャーII型症候群(CN-II)はUDPグルクロン酸転移酵素(UDPGT)遺伝子が変異を起こすことによって発症する先天性遺伝疾患である。CN-IIは常染色体劣性遺伝と優性遺伝の2つの遺伝形式があることから、発症機構として本酵素が四量体を形成することによって発病するドミナントネガテブ仮説を提唱した。この仮説を証明することが本研究の目的である。UDPGTを大量に発現させるバキュロウイルスによる発現ベクター系の作成、ゲル濾過クロマトグラフィーでの溶出位置の解析、SDS電気泳動による多量体形成の検証、昨年度行った以上の実験結果から、UDPGTは2量体以上の多量体を形成することが強く示唆された。今年度は更に、より確定的な多量体形成の証拠を得るためにモノマーをクロスリンカーによって架橋させ、オリゴマー形成が観察されるか否かの生化学実験を進めた。この実験は実験条件の設定が難しく、明瞭なオリゴマーを形成しているのかを確定することが出来なかった。そこで、分子と分子との相互作用が実際にタンパク質のN末で起こっているのかを明確にするために、クリグラーナジャーII型の患者のUDPGTに相当するポリペプチドを大腸菌で大量発現させ、そのタンパク質がオリゴマーを形成するかをin vitroで調べた。患者の短いUDPGTのN末にGSTを結合させたGST融合タンパク質、一方、同様にしてN末にヒスチジンタグを結合させたヒス融合タンパク質を作成した。両融合タンパク質が相互作用して多量体を形成するかを、グルタチオンセファロースカラムにあらかじめGST融合タンパク質を結合させておいて、次にヒスチジン融合タンパク質を発現している粗抽出液をそのカラムに通した。カラムを洗浄後、グルタチオンで結合タンパク質を溶出させ、Western blottingによって両融合タンパク質が結合しているかを調べた結果、両タンパク質が結合していることが明瞭に示された。この実験結果によって、クリグラーナジャーII型症候群はヘテロのナンセンス変異にもかかわらず、ドミナントネガテブによって重篤な遺伝病として発症することが証明された。
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