研究課題/領域番号 |
10671068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50252680)
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研究分担者 |
山崎 知行 大阪大学, 医学部, 助手 (00303975)
北島 孝一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00314310)
花房 俊昭 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60164886)
浜口 朋也 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ホスホフルクトキナーゼ / 膵B細胞 / インスリン分泌 / グルコース代謝 / 調節機構 / グルコース応答性 / アイソザイム / 遺伝子発現 / グルコースセンサー / アロステリック調節 / アンチセンス / ノックアウト / 糖尿病 |
研究概要 |
膵B細胞のグルコース応答性インスリン分泌には、時相の早い第I相とそれに続く第II相が存在する。解糖系の初段階の律速酵素、グリコキナーゼ(GK)には、センサーの特質が認められる。次ぎの段階を律速するホスホフルクトキナーゼ(PFK)は、高度なアロステリック調節機構を有し、細胞内水素イオン濃度、クエン酸・ATP濃度など解糖促進の結果蓄積する反応産物による阻害を受ける。PFKステップは、解糖系全体のOvershootingやUndershootingを制御することから、PFKは、第I相・第II相形成の代謝過程に寄与すると考えられる。本研究では膵B細胞での臓器特異的・アイソザイム特異的PFKノックアウトでの検証を前提に以下の成果を得た。 膵島特異的PFKアイソザイムの発現パターンの分析 (1)アイソザイム特異的なアンチセンスRNAプローブを用い、ヒト膵組織のin situ hybridizationを実施した。外分泌細胞では主としてL型PFKが優位であり、M型は内分泌細胞に、P型は低発現であった。 (2)膵B細胞株MIN6では、3アイソザイムはすべて存在するが、L型とM型が主たるものであった。 細胞生物学的検討による分析方法の確立 (1)living cellでの細胞内カルシウムイオン濃度変化、pH変化、膜電位変化、細胞内ATP濃度変化の測定系をリアルタイム細胞画像解析装置、共焦点レーザー顕微鏡分析、firefly luciferase強制発現にて確立した。 細胞レベルでのPFKアイソザイムノックアウトを以下のように実施している。 (1)PFK-L、Mの開始コドン周辺約300塩基のcDNA断片を逆方向に挿入したアンチセンス発現ベクターを構築、MIN6細胞からstable transformantを樹立。 (2)同様のコンストラクトをアデノウイルスベクターで作成、単離マウス膵島の初代培養系に遺伝子導入し、周辺灌流するグルコース応答性インスリン分泌能の変化の分析。 (3)マウスに経膵動脈的にアデノウイルスベクターで遺伝子導入し、個体レベルのグルコース応答性の分析。 これらを本研究計画終了後も継続してさらに新たな代謝学的事実を明らかにする。
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