研究課題/領域番号 |
10671088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 国立健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
江崎 治 国立健康・栄養研究所, 臨床栄養部, 部長 (90191923)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | GLUT4 / シスエレメント / トランスジェニックマウス / 運動 / 高脂肪食 / 除神経 |
研究概要 |
糖輸送体の1つであるGLUT4は、筋肉や脂肪組織に特異的に発現し、細胞内への糖の取り込みの律速段階となり、血糖の恒常性に重要な役割を果たしている。GLUT4は、様々な刺激によって発現調節を受けている。中でも、運動は筋肉におけるGLUT4の発現を増加させ、高脂肪食摂取は脂肪組織におけるインスリン抵抗性の主要な成因であるGLUT4の発現減少を引き起こす。また、運動とは逆に、下肢の除神経はGLUT4の発現を減少させる。 これまでの研究により、運動及び高脂肪食の反応するシスエレメントが転写開始点から-1000〜-442に存在することを明らかにしている。そこで、GLUT4遺伝子上流-701bp、-551bp、-423bpを導入したトランスジェニックマウスを作成し、運動、高脂肪食に反応するシスエレメントをさらに狭い領域において同定したところ、高脂肪食及び運動に反応するシスエレメントが-701〜-551、-551〜-442に存在することがわかった。また、除神経に反応するシスエレメントが-423より下流に存在し運動とは異なることを明らかにした。 次に、-551〜-442の領域内で、GLUT4-1:-556〜-527、GLUT4-2:-531〜-502、GLUT4-3:-506〜-470、GLUT4-4:-476〜-438のフラグメントを作成し、ゲルシフトアッセイを行った結果、GLUT4-3にスイミング運動により結合の増加する因子が存在した。また、-701〜-551の領域を含むフラグメントF1:-751〜-552を作成し、フットプリントを行った結果、-706〜-683と-674〜-652に蛋白質の結合領域が認められた。そこで、WF1:712〜-688、WF2:-690〜-650、WF3:-656〜-617、WF4:-621〜-582、WF5:-586〜-547のフラグメントを用いてゲルシフトアッセイを行ったところ、WF4とWF5に高脂肪食によって結合の減少する因子が存在した。これらの結果より、-506〜-470(GLUT4-3)、-621〜-582(WF4)、-586〜-547(WF5)に結合する因子が、GLUT4の運動による発現増加、高脂肪食による発現減少に関与している可能性が示唆された。
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