研究課題/領域番号 |
10671090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
坂田 博美 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50235157)
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研究分担者 |
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (40091566)
小野寺 一彦 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00204264)
松田 年 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90312470)
MATSUDA Minoru Asahikawa Medical College, Associate (50235157)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 医再生工学 / 人工肝臓 / 肝細胞移植 / 肝細胞増殖因子 / 肝幹細胞 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
本年度は、肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor/Scatter Factor;HGF/SF)のトラスジェニックマウス肝臓より肝細胞を分離し、脾臓内での生着および増殖を移植後64週間の長期間にわたり観察した。対象とした正常FVB/Nマウス(WT)肝細胞は、脾臓内にほとんど生着しなかった。一方、HGF/SFトランスジェニックマウスから分離された(TG)肝細胞は、同系マウスの脾臓内で細胞塊となって著明に生着した。NIH/Imageで脾臓内移植肝細胞数を定量化すると、TG肝細胞は、16週を最低にして漸減するがその後漸増して、64週間後には全肝細胞数の約5%に達した。一方、経時的観察では、TG肝細胞が統計学的有意差をもって、WT肝細胞より脾臓内でより多く生着しているのが観察された。高倍率でさらに検討すると、移植後64週間目で、TG肝細胞は柵状構造をとり、sinusoid様構造も認め、脾臓内で移植肝細胞が組織構築していることが示唆された。次に、脾臓内移植TG肝細胞の機能を検討するために、transgene HGF/SF及びAlbumin mRNAの発現を検討した。TG肝細胞では、移植後4週間目からこれらの発現が認められ、その後64週間目まで漸増した。さらに、免疫染色で、TG肝細胞はPAS陽性、Albumin陽性であった。肝細胞増殖因子の移植肝細胞に対するmitogenic effectを検討するために、脾臓内移植肝細胞のDNA合成率をPCNA染色で検討した。その結果.WT肝細胞は、全くPCNAで染色されなかったが、TG肝細胞のDNA合成は、移植後8週間で約8%と最高値を示し、その後漸減するものの、移植後64週間目でも、約2%のDNA合成率を示した。以上、HGF/SFは脾臓内肝細胞移植モデルにおいて、脾臓内での長期問の肝細胞の生着を促進して,肝細胞としての機能を果たすことが確認された。現在、Progressive familiar intrahepatic cholestasis(PFIC)の疾患モデルを用いて、実際に肝細胞移植で肝疾患が治療できるか否かを検討している。
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