研究分担者 |
神宮 和彦 千葉大学, 医学部・付属病院, 医員
松原 久裕 千葉大学, 医学部・付属病院, 助手 (20282486)
浅野 武秀 千葉大学, 医学部, 講師 (80143311)
宮内 英聡 千葉大学, 医学部・付属病院, 医員
中郡 聡夫 千葉大学, 医学部, 助手 (10261918)
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研究概要 |
1.ラット膵島胸腺内移植による移植膵の生着延長効果 : ラット膵島を胸腺内同種移植後,抗リンパ球血清(ALS)を1回投与のみで,3週間後にラット膵(膵島と同系)を頸部に同種移植し,生着を検討した.胸腺の組織学的検討では拒絶反応はみられず,良好な形態を保持し,非免疫抑制下での膵島の生着が確認された.しかしながら,膵島移植後3週に行った,頸部への膵臓移植では,実験群の膵の生着日数は対照群と比較して有意な生着延長効果を示さず,全例拒絶された. 2.千葉大式膵島分離法の考案,開発 : メカニカルチョッパー,独自に考案,作成した2段階自動膵臓消化装置, COBE2991細胞分離装置を組み合わせた千葉大式膵島分離法考案した.ビーグル犬を用い,本分離法にて膵島分離を行った.従来法に比較して,収量,純度,インスリン分泌能は飛躍的に向上し,膵島自家移植実験にて,全例血糖値の正常化が得られた.本分離法は臨床膵島移植の実現に重要と考えられた. 3.温阻血障害膵よりの膵島分離の可能性 : ビーグル犬を用いて心停止後30分の膵を摘出,死体内強制灌流をした灌流群と非灌流群を作成.各々の膵島収量,純度,インスリン分泌能を測定,温阻血を加えない新鮮群と比較した.温阻血を加えた灌流群,非灌流群では収量,純度ともに新鮮群に比較して低下したが,灌流群で得られた膵島は良好なインスリン分泌能を有しており,臨床応用可能と考えられた.
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