研究課題/領域番号 |
10671145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
安波 洋一 福岡大学, 医学部, 助教授 (00166521)
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研究分担者 |
白石 君男 福岡大学, 医学部, 助手 (90187518)
加藤 寿彦 福岡大学, 医学部, 教授 (80078766)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 膵島移植 / NKT細胞 / 拒絶反応 / トレランス / 異種移植 / 抗SD4抗体 |
研究概要 |
本研究の目的は近年、新たに見出された免疫担当細胞、NKT細胞の膵島移植拒絶反応に於ける役割を明らかにしようとするものである。平成10年度の研究でラットからマウスへの異種膵島移植の実験系で抗CD4抗体による拒絶反応制御にNKT細胞の関与が示唆される知見が得られた。平成11年度では、NKT細胞欠損マウスをレシピエントに用いて、解析した。 【方法&結果】ドナーにlewisラット、レシピエントにはC57BL/6マウスを使用した。単離ドナー膵島(500個)をSTZ(200mg/kg)糖尿病マウスの経門脈的肝内に移植した。移植後抗CD4抗体50μg(ip, day0,2,4)を投与した群では、16/21例(76.2%)でグラフトは移植後30日以上生着し、レシピエントは正常血糖を示した。対照群では全て8日以内に拒絶された。次に、NKT細胞欠損マウス(Jα281-/-、C57BL/6background)をレシピエントに使用した。移植後抗CD4抗体を同様に投与したにもかかわらず、NKT細胞欠損マウスではグラフト(N=7)は全て移植後30日以内に拒絶された。更に、T, B細胞を欠損し、Vα14NKT細胞を発現するNKTマウス(TCR-/-、Vα14tgマウス)から脾細胞を単離しNKT細胞欠損マウスへの移入実験を行った。移植時に脾細胞を門脈内へ移入し、移植後抗CD4抗体を同様に投与した。2×106個を移入した群では、1/6例(16.6%)のみのグラフトが生着したが2×107個の移入群では、5/7例(71.4%)のグラフトが移植後30日以上生着した。 本研発により、抗CD4抗体投与による膵島異種移植拒絶反応の制御に、NKT細胞が必須の役割を担っていることが明らかになった。この成果はJ Clin Investに掲載予定であるが、本研究はNKTが拒絶反応に関与していることをあきらかにした始めての報告である。
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