研究課題/領域番号 |
10671151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮崎 修吉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50282075)
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研究分担者 |
寺澤 孝幸 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10292319)
佐山 淳造 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60292322)
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (20192106)
安藤 健二郎 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40261614)
菅原 弘光 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80302123)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | シアリダーゼ / シアル酸 / B16メラノーマ / Colon26 / 転移能 / 食道癌 / 悪性度評価 |
研究概要 |
癌細胞に見られる糖鎖シアル酸量の変化は転移能と密接に関連している。その変化の機構を探る目的で、シアル酸量調節の一翼を担うシアリダーゼの研究を行った。これまで、哺乳動物にはリソソーム内腔、リソソーム膜、細胞質及び形質膜に局在する4種のシアリダーゼの存在が明らかになっている。これらのシアリダーゼは細胞の癌化や転移能に関連して発現が変化することが示唆されていた。 基礎的研究では、マウスB16メラノーマ及びColon26結腸癌細胞を用いて、転移能に関わるシアリダーゼについて検討を加えた。転移能の異なるB16細胞の3つの細胞株及びColon26細胞の4つの細胞株を用いて内因性シアリダーゼ活性と転移能との関係を調べた。また、Colon26の高転移能細胞NL17に細胞質性シアリダーゼ遺伝子を導入して安定高発現株を樹立し、遺伝子導入による影響を調べた。 その結果、少なくともマウスにおいては細胞の種類に関わらず、(1)リソソーム性シアリダーゼ活性は転移能と逆相関していること、(2)シアリダーゼ活性が低い高転移細胞に細胞質性シアリダーゼを導入すると、転移能は抑制されること、そしてその転移抑制は細胞の運動能及び浸潤能の低下によってもたらされているようであること、(3)細胞質性及び形質膜性シアリダーゼの転移細胞でのターゲット分子の一つとしてガングリオシドGM3が示唆され、高転移細胞で増加傾向にあること、等が明らかになった。 また、臨床的研究では、ヒト食道癌組織をもちいて、主としてリソソーム性および形質膜性シアリダーゼについて発現を調べた。その結果癌組織においては非癌部に比し、リソソーム・シアリダーゼは約4倍、形質膜シアリダーゼは約2倍に増加していることが判明した。 今後は、上記結果と臨床病理学的因子との関連を明らかにし、癌組織のシアリダーゼ測定の有用性を探っていくことが重要であると思われる。
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