研究課題/領域番号 |
10671162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
仁瓶 善郎 (二瓶 善郎) 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00189341)
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研究分担者 |
長内 孝之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50301164)
市川 度 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70282738)
飯田 聡 東京医科歯科大学, 医学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 胃癌 / Eカドヘリン / p14^<ARF>遺伝子 / メチル化 / genomic instability / MSI / 家族性胃癌 / E-cadherin |
研究概要 |
胃がんの発生は減少傾向にあるが、今なお日本では頻度の高い癌である。胃がん患者の家族集積を検討したこれまでの報告では、その頻度は基準によりまちまちであるが、胃がん患者の0.2%-5.6%とされている。近年、世界においていくつかのグループで胃がん家族集積家系よりEカドヘリンのgerm-line mutationが報告されている。しかし、日本におけるEカドヘリンのgerm-line mutationについての検討は少ない。我々は日本人家族性胃がん14家系16症例(うち未分化型胃がん8症例)のEカドヘリンの全コード領域を検索した。しかし生殖細胞変異はいずれの組織型においても認められなかった。従って本邦における家族性胃がんにEカドヘリン遺伝子の生殖細胞変異の寄与するところは少ないと考えられた。言い換えれば他の遺伝子の関与している可能性があると考えられ、他のcandidateの検索が必要である。 ところでp14ARFは選択的スプライシングにより、p16INK4aの最初のエクソン、1aをその約15kb上流に存在する1bで置き換えることにより作り出され、細胞増殖抑制機能をもつ事が示されている。今回の研究では11株の胃癌細胞株におけるp14ARF遺伝子のmRNA発現、homozygous deletion、突然変異、プロモーターのメチル化を調べた。未分化型胃癌細胞7株中5株にmRNA発現はみられなかった。逆に分化型ではmRNA発現の低下していた1株を除きすべて正常な発現を示した。mRNA発現のない5株のうち3株(MKN45、NUGC-2、NUGC-4)にhomozygous deletionが、1株(KATO III)にプロモーターのメチル化がそれぞれ認められた。Homozygous deletionのない8株について、p14ARFの全コード領域にわたりSSCP法により突然変異を検索したが明らかな変異は認められなかった。これらのことより分化型胃癌細胞株より未分化型株でのほうがhomozygous deletionやメチル化によりp14ARFが不活性化されていることが示された。さらに、我々は62例の胃癌組織についてもp14ARFプロモーターのメチル化を検索した。未分化型胃癌でメチル化されている頻度が高い傾向にあった(未分化型15/33、45.5%;分化型7/28、25%)。以上よりp14ARFの変異は未分化型胃癌の発生に関与していることが示唆された。
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