研究課題/領域番号 |
10671171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中村 利夫 (1999) 浜松医科大学, 医学部, 助手 (40283353)
西野 暢彦 (1998) 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80228197)
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研究分担者 |
田中 達郎 浜松医科大学, 医学部, 助手 (90273185)
今野 弘之 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (00138033)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 血管新生阻害 / 大腸癌 / 術後転移 / 肝転移 / TK4 / 原発巣切除 / 大腸癌術後転移 / FR-118487 / ヒト大腸癌TK4 / 大腸癌原発巣切除モデル / 血管新生抑制 / FR118487 |
研究概要 |
1.材料と方法 短期投与実験:ヒト大腸癌TK4をヌードマウス盲腸に同所移植し、移植2週間後(早期切除)と4週間後(晩期切除)に盲腸切除を行い、血管新生阻害物質FRl18487(1mg/kg/day)を浸透圧ミニポンプにて切除3日日より7日間持続皮下投与した。長期投与実験:晩期切除後4週間FRl18487(1mg/kg/day)を持続皮下投与した。長期観察実験:腫瘍移植3週間後に盲腸切除を行い、FRl18487(1mg/kg/day)を切除3日日より7日間持続皮下投与し、160日間経過観察した。 2.結果 (1)短期投与実験では、肝転移は対照群78%(7/9匹)、早期切除単独群33%(2/6匹)、早期切除FR投与群0%(0/6匹)、晩期切除単独群100%(7/7匹)、晩期切除FR投与群100%(6/6匹)であり、早期切除FR投与群が対照群、晩期切除群に比し有意な肝転移阻止効果を認めた(p<0.01)。(2)長期投与実験では、肝転移を切除単独群90%(9/10)、切除後FR投与群20%(2/10)に認め、切除後FR投与による有意な肝転移阻止効果を認めた(p<0.01)。(3)長期観察実験では、切除単独群は106日で凡てのマウスが腫瘍死したが、対照的に切除後FR投与群では106日目では全例生存しており、観察終了時点において半数のマウスが生存しており、有意な予後改善効果を認めた(p<0.001)。(4)FR投与に起因する副作用は体重減少のみであったが、投与終了後体重は回復した。 3.結語 (1)大腸癌原発巣切除後、血管新生阻害物質の投与は術後肝転移の阻止に有効であった。早期切除であれば短期投与でよく、晩期切除であっても長期間投与を行えば有意な肝転移抑制効果を示した。(2)大腸癌原発巣切除後血管新生阻害物質投与により、有意な生存期間延長効果を認めた。(3)以上の実験結果より、大腸癌切除術後補助療法としての血管新年阻害物質投与の有効性が示唆された。
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