研究課題/領域番号 |
10671181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
左近 賢人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40170659)
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研究分担者 |
有吉 秀男 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60294055)
梅下 浩司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60252649)
中森 正二 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70294080)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 肝 / 虚血再灌流障害 / ステロイド / PGE1 / ミトコンドリア / 肝切除 / 虚血再潅流障害 / カルパイン |
研究概要 |
1)虚血再灌流による肝細胞障害の開始シグナルとしてのcalpainの活性化をラット部分肝温阻血モデルにて検討した。阻血再灌流後、肝組織ATP量の回復遅延よりもcalpainの活性化が先行し、calpainの活性化が従来の組織ATP量などの方法と比較してischemic insultをより早期かつ鋭敏に示すことを実証した。 2)同モデル(10-60分阻血)においてcalpainの活性化、組織ATP量、energy charge及び組織学的変化から臨床現場で多い長時間(1時間)阻血に対する適切な阻血方法を検討した。その結果、10分阻血、5分再灌流の繰り返し(計6回)による血流遮断方法がischemic insultを招来しない方法であることを確認した。 3)上記の検討から派生した課題として,a)calpain活性化に不可欠な細胞内カルシウム濃度の上昇機序をconforcal laser microscopyを用いて検討し、細胞外よりのカルシウムイオンの流入が重要であることを実証した。また、b)ミトコンドリアがcalpainの活性化の一つの部位であることを免疫電顕にて実証した。 4)同モデルにおいてステロイド(術前methylprednisolone投与)の虚血再灌流障害の抑制効果をIL-1mRNAなどcytokineの転写及びcalpain活性化の抑制効果から確認した。これは虚血再灌流障害に対する多剤併用による多段階アプローチの第一歩となる。 5)臨床肝切除例において上記の阻血法を行い肝組織calpainの活性化を検討し、動物実験で得られた阻血法(10分阻血、5分再灌流の繰り返し)の合理性を実証した。また、多剤併用療法の一つとしてのPGE1によるcalpain活性の抑制効果を確認した。 6)肝炎症例では正常肝とは異なりcalpain既に活性化されていること、肝炎肝阻血症例ではPGE1投与が肝炎によるcalpainの活性化は抑制しないものの、虚血再灌流によるそれを抑制することを実証した。
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