研究課題/領域番号 |
10671194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
佐藤 元通 (佐藤 元道) 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (50162491)
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研究分担者 |
加州 保明 愛媛大学, 医学部, 助手 (40294813)
渡部 祐司 愛媛大学, 医学部, 講師 (20210958)
河内 寛治 愛媛大学, 医学部, 教授 (90116020)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 肝虚血 / 血行再建 / 凍結保存 / 好中球 / 再潅流障害 / 大動脈 / 腹膜炎 / 肝動脈 / 血管移植 / 感染 |
研究概要 |
凍結保存graftを用い肝動脈、上腸間膜動脈を再建する場合の、ブタでの再建方法、感染下での凍結保存graftの安全性、術中肝虚血の軽減法とモニターにつきWister rat、ブタを用い検討した。 1)ラット腹部大動脈をプログラムフリーズ後に-80℃で凍結保存し、同系ラットに移植した。同時に盲腸穿孔結紮後摘出による汎発性腹膜炎を作成し、移植後1週、1月、3月でのグラフトの肉眼的、組織学的所見を検討した。全例で生存し、グラフトは開存し、膿瘍、血栓、仮性動脈瘤等は認めなかった。組織学的にもグラフトに移植に伴う変化は認めるが、腹膜炎による変化は認めなかった。 2)ブタで肝動脈は再建可能であったが、上腸間膜動脈はリンパ管に厚く被われ、再建困難で、本実験には適さなかった。 3)Wisterラットで肝を90分虚血した。1週生存率、再潅流後1時間と1週目の血清GOT、GPT、LDH、pH、IL-8、動脈血ケトン体比(AKBR)と肝の組織像と好中球浸潤数を求めた。コントロール(C)群、好中球に対するモノクローナル抗体Urge-8(50mg/Kg)投与群(U)、免疫抑制剤FK506(3mg/Kg)投与群(F)の間で比較検討した。1週生存率はC群で12/20(20匹中12匹生存)、U群で16/20、F群で15/19で、C群でやや低かった。再潅流1時間後にはC群はU、F群に比べ、GOT、GPT、LDH、IL-8が高く(P<0.01)、肝壊死、鬱血、細胞空胞化が強く、好中球浸潤数も多かった(P<0.01)。これらは1週後にはほぼ正常化した。 4)肝虚血モデルで肝の組織酸素分圧は虚血を良く反映したが、肝障害の度合いは反映しなかった。 以上より凍結保存動脈グラフトの腹膜炎時での安全性と肝虚血に対する好中球抗体、免疫抑制剤投与の有効性が証明され、肝動脈、上腸間膜動脈再建時への応用が期待できる。
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