研究課題/領域番号 |
10671208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
簾田 康一郎 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00244434)
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研究分担者 |
市川 靖史 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70254208)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 膵癌 / NCAM / PSA / 神経浸潤 / 神経周囲浸潤 / Neural Cell Adhesion Molecule |
研究概要 |
背景:進行膵臓癌は根治手術後にも肝転移、腹膜播種を来たし外科的な治療のみでは根治が困難な疾患といえる。その特徴的な進展様式である神経浸潤は、特に膵癌浸潤の先進部となり、切除後の癌遺残の原因であり、また手術中の播種の原因とも言われる。われわれは膵癌神経浸潤の実態を解析し、癌の神経親和性に関与するといわれるNeural Cell Adhesion Molecule(NCAM)あるいはその修飾酵素であるpolysialic acid(PSA)の発現に関して言及した。方法:神経浸潤膵臓癌15例を対象として、神経浸潤様式および浸潤部位におけるNCAM、PSA発現をHE染色、および免疫染色を用いて検討した。結果:神経浸潤様式は神経束を束ねるperineurium spaceを浸潤するtypeが72%、単一の神経束内のperineural spaceを浸潤するtypeが28%であった。前者では癌細胞と神経の間にはperineuriumが介在し、後者ではendoneuriumが介在しており、癌の神経への直接浸潤は認められず、癌と神経の直接的な会合は認められなかった。NCAM発現は膵害神経叢への浸潤を有する奨励での陽性率が高く、PSA発現は膵癌腫瘍中心部よりも、膵浸潤部での発現が強かった。PSAの発現はki-67の発現率すなわち細胞増殖能と相関した。結語:膵癌の神経浸潤はNCAMの有する相同的結合力による癌、神経親和性により引き起こされるものではないと考えられた。NCAM、PSAの発現は癌の浸潤性および増殖能に関与すると考えられ、神経浸潤予測因子として重要であると考えられた。
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