研究課題/領域番号 |
10671234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
是永 大輔 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90170414)
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研究分担者 |
武末 文男 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (30299599)
安田 光宏 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (90269043)
犬塚 貞明 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40258596)
本田 雅之 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (40330972)
長濱 俊一 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (70279321)
楠本 宏記 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (00195447)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 大腸癌 / 発癌 / DSS / フリーラジカル / SOD / 活性酸素 / 抗酸化 |
研究概要 |
【目的】潰瘍性大腸炎は大腸癌のリスクファクターであり、羅患範囲が広く、発症後10年以上経過した症例に発癌率が高い。一方、潰瘍性大腸炎の病態に活性酸素の過剰産生は重要な役割を担っている。本研究ではヒト潰瘍性大腸炎の類似病変が作成可能な高分子デキストラン硫酸(DSS)惹起性大腸炎モデルを用いて、炎症性腸疾患における発癌過程と抗酸化防御機構について検討した。【方法】研究1(平成10年度):CD-1マウスに4%DSS溶液を7日間自由飲水させた後、飲料水で14日間飼育する実験を設定した。1〜4周期終了後にマウスを屠殺し、摘出大腸の病理学的検討とともに血中TNF-α、大腸粘膜の過酸化脂質(MDA)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の測定を行った。研究2(平成11年度):DSS投与4周期終了後の摘出大腸を発癌群と非発癌群に分類し、大腸粘膜のMDAおよびSOD活性を比較した。研究3(平成12年度):4%DSSにSOD、VitCを混じた溶液をマウスに自由飲水させて4周期後に発癌状況を検討するとともに大腸粘膜SOD測定による抗酸化防御機構の改善効果を分析した。【結果】(1)異型上皮と癌病巣の発癌率は3周期群で28.6%(4/14)、4周期群で25%(3/12)であった。血中TNF-αと大腸粘膜MDA値は周期を重ねる毎に増加したが、大腸粘膜SOD活性は3、4周期後では1周期に比して明らかに低下した。(2)4周期終了後の摘出標本は対照群に比して粘膜上皮が粗造で、腸管壁の肥厚と短縮が著明であった。大腸粘膜MDA値に明らかな差異はなかったが、発癌群(異型上皮、癌病巣)のSOD活性は非発癌群より有意に低く(p<0.05)、抗酸化防御機構が疲弊していることが推測された。(3)SOD投与群、Vit投与群では対照群に比して大腸粘膜SOD活性が上昇したが、発癌予防効果は認められなかった。【結語】DSS惹起性大腸炎モデルを用いた炎症性腸疾患の発がん過程において、抗酸化防御機構の破綻が関与している可能性が示唆された。
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