研究課題/領域番号 |
10671253
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥村 明之進 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40252647)
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研究分担者 |
南 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10240847)
尹 亨彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50283768)
三好 新一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00190827)
武田 伸一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30236468)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 重症筋無力症 / 免疫抑制療法 / アセチルコリンレセプター / T細胞 |
研究概要 |
重症筋無力症(以下、MG)は、イコチニック・アセチルコリンレセプター(以下、AChR)に対する自己抗体の出現により神経筋接合部のAChRが破壊され、全身の筋肉に易疲労性および筋力低下をきたす難治性の神経・筋疾患である。拡大胸腺摘出術はMGに対する外科治療として確立されており、当教室では術後1年・5年での改善率を80%、90%と報告してきた。しかしながら難治性症例やクリーゼを繰り返す症例も一部に存在し、そのような症例ではステロイドホルモン剤の経口・経静脈投与、血漿交換療法が行われるのが一般的であるが、特に最近ではアザチオプリン等の免疫抑制剤の投与も試されている。当教室においてもサイクロスポリンAによる免疫抑制療法を積極的に行っており、1年以上の長期使用(最長6年)における有効性と副作用などの問題点に関して報告した(第52回 日本胸部外科学会総会平成11年10月 仙台)。 しかしながら、長期の非特異的免疫抑制療法には全身的な副作用併発の可能性、日和見感染の危険性が内在しており、このような"非特異的"免疫抑制療法に代わって、自己抗原反応性の免疫担当細胞だけを抑制する、いわゆる"特異的"免疫抑制療法の開発が望まれる。MGにおける自己抗体産生はT細胞依存性であるので、今回、我々はAChRを認識するT細胞を抑制することによる特異的免疫抑制法の開発を検討した。まず、AchRを特異的に認識するT細胞のクローニングを試みた。そのため、AChRαサブユニットのアミノ酸配列を元に、約20アミノ酸残基長のペプチド35種類を作成した。これらを用いてMG患者2例から手術により切除された胸腺由来リンパ球を刺激し、AChRαサブユニットを認識するT最房のクローニングを行った。1例の患者において、AChRαサブユニットのMain immunogenic region(MIR,α90-100付近)の配列を含む21アミノ酸残基長の合成ペプチド(NLKWNPDDYGGVKKIHIPSEK)を認識するT細胞クローンを確立した。 今後、このアミノ酸配列の内、1残基を他のアミノ酸残基に置換した合成ペプチドを用いてその反応性を抑制するペプチドアナログを特定する。
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