研究課題/領域番号 |
10671256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西村 元延 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90291442)
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研究分担者 |
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00243220)
大竹 重彰 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50243209)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 体外循環 / サイトカインネットワーク / 生体適合性材料 / ハイブリッド人工肺 / プラズマ放電 / ハイブリット型人工肺 / 血管内皮 / 抗炎症性サイトカイン / prostacyclin / 吸引脱血 / 開心術 |
研究概要 |
体外循環は開心術において必要不可欠な補助手段であるが、現在なお手術成績や患者の術後QOLに影響を及ぼす種種の臨床上の問題点が存在する。その代表的なものは体外循環により惹起される炎症に起因する臓器障害である。体外循環施行による生体異物反応により、術中術後にサイトカインネットワークが活性化され、IL-6,IL-8などの上昇を伴う強い炎症反応が惹起され、術後感染症や術後臓器機能障害を引き起こす誘引の1つとなるとされ、特に、人工肺がその炎症反応を惹起する中心と考えられている。そこで本研究においては、体外循環の侵襲を減少させるため、炎症反応の少ない人工肺を模索することを目的とした。 まず、新しい生体適合性材料PMEAによる人工肺コーティングの効果に関して検討した。新しい生体適合性材料を用いて人工肺、および体外循環回路の血液接触面をコーティングしたものの効果について豚を用いた体外循環モデルにより検討した。新しい生体適合性材料PMEAは、回路および人工肺内面への蛋白の接着を抑制することにより、生体の炎症反応、凝固線溶系の活性化を、ヘパリンコーティング回路とほぼ同程度抑制することが明らかになった。従来のヘパリンコーティング法と比べて安価であること、どのような素材のものでもコーティング可能なことから、従来のヘパリンコーティング法より臨床応用がひろがるものと考えられた。つぎに人工肺ホロファイバーの血液接触面に細胞を接着させることにより生体適合性を向上させるハイブリッド人工肺の開発について研究を進めている。ハイブリッド人工肺は、NOSのcDNAを遺伝子導入した血管内皮細胞を人工肺ホロファイバーの血液接触面に接着させ、体外循環により惹起される炎症反応を軽減させることには成功したが、その接着効率を上昇させることにはまだ成功していない。プラズマ放電処理による接着効率の上昇にむけて現在なお、実験を進めているところである。
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