研究課題/領域番号 |
10671259
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三好 新一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00190827)
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研究分担者 |
奥村 明之進 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40252647)
尹 亨彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50283768)
南 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10240847)
武田 伸一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30236468)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 胸腺腫 / 重症筋無力症 / HLA-DR^+ / MHC-classII / インターフェロンガンマ / HLA-DR / インターフェロン・ガンマ / 胸水腫 / MHC class II / CIITA |
研究概要 |
胸腺腫には重症筋無力症をはじめとする種々の自己免疫疾患を合併することが知られているが、その発症機序は現在も明らかにされていない。この研究の目的は、胸腺腫に伴うparaneoplastic autoimmunityの発症機序を分子学的に解明することである。 正常胸腺あるいは胸腺腫由来の初代培養された上皮細胞上でのInterferon-γ(IFN-γ)依存性MHC分子発現をフローサイトメトリーにて評価した。上皮細胞上のMHCclassI分子の発現は正常胸腺・胸腺腫間で同レベルであったが、MHCclassII分子の発現は正常胸腺に比べて胸腺腫において有意に低レベルであった。さらに、胸腺腫の腫瘍上皮細胞上のMHCclassII分子の発現レベルは、胸腺腫内に存在するCD4^+CD8^-subset中の成熟リンパ球であるCD3^+細胞の比率と有意の正の相関を示した。すなわち、胸腺腫内では上皮細胞上のMHCclassII分子の発現の障害が腫瘍内T細胞分化に影響を及ぼしていることが示された。この結果はImpaired expression of MHC class II molecules in response to Interferon-gamma(IFN-γ)on human thymoma neoplastic epithelial cells.(Inoue et al.Clinical and Experimental Immunology 117:1-7,1999.)にて既に発表した。 次に、胸腺腫の腫瘍上皮細胞におけるIFN-γ依存性MHCclassII発現機構における障害を分子生物学的に検討した。たんぱく質レベルでの評価を容易にするために、初代培養上皮細胞にSV40抗原を導入しcell line化を試みたが不可能であったため、初代培養由来のたんぱく質・mRNAにより検討した。gel mobility shift assayを用いてIFN-γ receptorからのシグナル伝達を担当するStat-1分子の核内への移動を検討したところ、この段階のシグナル伝達は正常胸腺と同様におこっていることが確認された。そこで、IFN-γによって発現誘導されMHCclassII分子発現を調節するCIITAの発現を定量的RT-PCR法で検討したところ、CIITAの発現は胸腺腫において正常胸腺よりも有意に低下していた。この結果、現在、論文投稿中である。 以上より、胸腺腫内T細胞分化の異常は、胸腺腫上皮細胞のCIITA発現の低下によるMHC classII発現障害に起因することが明らかとなった。すなわち、胸腺腫に伴うparaneoplastic autoimmunityにはCIITAの発現調節障害が関与することが示唆された。
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