研究課題/領域番号 |
10671279
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
田中 達也 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20108715)
|
研究分担者 |
澤村 淳 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00241448)
橋詰 清隆 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00250580)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | intrtactable epilepsy / kainic acid / animal model / multiple epileptic foci / callosal section / cortical epilepsy / experimental epilepsy / multiple cortical focus / Wistar rat / kaimic acid / experimental cortical focus / multiple focus / callosotomy |
研究概要 |
難治性てんかんの中でも、両側の大脳半球にてんかん焦点が見とめられる多発性てんかん焦点の症例は、抗てんかん薬による治療に抵抗し難治化することが多く、またてんかんの外科治療も、適応外となることが知られている。本研究では、猫およびラットの両側大脳皮質にてんかん焦点を作成し、多焦点てんかんの機序を検討し、また、外科治療の可能性についの研究を行った。 実験Iでは、両側大脳感覚・運動領野にカイニン酸皮質内注入によりてんかん焦点を持つ慢性ネコ多焦点モデルを作成し、脳梁離断術の基礎的研究を行った。両側感覚運動領野にそれぞれ独立したてんかん焦点を作成したところ、発作波および発作も左右同期して初発するようになった。しかし、脳梁離断直後から、発作波は左右非同期して出現するようになり、脳梁は左右の脳皮質てんかん焦点のスパイク波の同期化に重要な働きを持っていることを明らかにした。 実験IIでは、一側大脳感覚・運動領野にてんかん焦点を持つ慢性ラット焦点てんかんモデルに脳梁離断術を行ない、その後autoradiography法にて糖代謝の変化を検討た。脳梁離断直後から、コントロール群に比べて発作が軽くなったことより、脳梁は左右の脳皮質てんかん焦点の伝播に重要な働きを持っていることを明らかにした。 実験IIIでは、ラットの両側大脳皮質にカイニン酸注入により多焦点モデルで、脳梁離断術後の脳波と糖代謝の変化を検討した。脳梁離断術後も、両側の独立した発作が残存したことから、脳梁離断術の限界を明らかにした。 この研究は、臨床においても、両側大脳半球に異なった発作焦点を持つ多焦点の症例では、脳梁離断術後は左右の発作波の同期化のみが改善されることを示している。しかも各半球に独立した発作は残存することが示された。 以上の結果を踏まえて、脳梁離断術の手術適応は、慎重に決定されなければならないことを明らかにした。
|