研究概要 |
脳腫瘍の遺伝子治療に関して、アデノウィルスを用いて様々なアポトーシス関連遺伝子を導入して、遺伝子治療に応用可能かどうか検討した。その結果以下の事がわかった。 1.遺伝子単独で導入した際に、Fas ligand,Fas,FADD,caspase-8,caspase-9,Apaf-1,Baxが強い殺細胞効果を示した。 2.遺伝子を併用した際に、p53とFas ligand、p53とp33、p53とApaf-1及びcaspase-9、Fas ligandとcaspase-3が強い殺細胞効果を示した。 3.以上の複製不能ウィルスのみならず、E1Bをdeleteした複製可能ウィルスも強い殺細胞効果を示した。 4.アデノウィルスのファイバーにリジンを20個つけた改変型ウィルスはグリオーマに高い導入効率を示し、アポトーシス関連遺伝子と組み合わせる事により脳腫瘍に対して効果的な治療が認められた。 結論として、アポトーシス関連遺伝子をアデノウィルスにて導入する方法は脳腫瘍の遺伝子治療に有用である事が示唆された。
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