研究課題/領域番号 |
10671285
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
青柳 傑 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40134704)
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研究分担者 |
玉置 正史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30301154)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | moyamoya disease / Arterial wall / Muscle, smooth / IL-1 / Prostaglandin / Muscle,smooth / Prostagladin / モヤモヤ病 / 血管平滑筋細胞 / 炎症性サイトカイン |
研究概要 |
(1)モヤモヤ病の血管は炎症性反応に対し、遺伝的に制御された特異的な反応性を示すとの仮説のもとに研究を行った。モヤモヤSMCでは、特にIL-1にたいする反応性が対照SMCと顕著な違いが認められ、対照SMCではIL-1はすべて遊走刺激効果をしめすのに対し、モヤモヤSMCのすべての細胞株で抑制効果を示した。IL-1は、多機能性のcytokineであり、細胞に作用し、PDGF-AAやTGF-βを分泌させる。また、細胞のNO合成を刺激し、NOはSMCの増殖遊走に抑制的に作用しうる。そこで、SMCのIL-1刺激によるNO合成を検討した。対照、モヤモヤSMCともIL-1によりNO産生は有意に刺激され、両者で差はなく、ともにNOSのinhibitorで抑制された。したがって、モヤモヤSMCの特異的反応性はNOとは関係ないと考えられた。この結果は、モヤモヤSMCに、IL-1に関連する細胞内signal、あるいは、下流の分子の異常が存在する可能性を示唆している。(2)更に、この現象は本症血管平滑筋細胞がIL-1刺激によりCOX-2の過剰産生を介し、特異的にPGE2を過剰産生するためであると判明した。血管壁での過剰なPGE2産生は、他のagonistとの相乗作用により血管の透過性を亢進させ、本症での内膜肥厚の形成に直接的に関与すると想定される。現在、研究者らは、COX-2の上流の転写因子、酵素活性の検討を行い、特異的な活性亢進を見出し、また、これより下流の異なる経路に、より強力に血管の透過性を亢進させる分子が発現する可能性を示唆するdataが得られている。
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