研究課題/領域番号 |
10671287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
成相 直 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究, 助手 (00228090)
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研究分担者 |
石渡 喜一 (財)東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 主任研究員 (50143037)
長岡 司 東京医科歯科大学, 医学部・付属病院, 助手 (70280980)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | PET / 神経受容体 / ベンゾディアゼピン / GABA / アデノシン / 脳虚血 / 神経外傷 / てんかん / ネコ / 脳血流 |
研究概要 |
ネコ中大脳動脈一過性閉塞モデルでの、動物PETによる神経受容体定量に関する実験を完了した。13匹の成猫13匹を使用し経眼窩的に右中大脳動脈を一過性に閉塞させた後再潅流した。東京都老人総合研究所ポジトロン医学研究施設既設の動物PETカメラ(SHR-2000浜松ホトニクス社)に虚血前、虚血時及び再潅流直後の脳血流を定量した。これに引き続きアデノシンA1受容体結合能、中枢性ベンゾディアゼピン受容体結合能、ブドウ糖代謝に関し定量的計測を行った。計測終了までに脳の腫張が生じたネコはこの時点で屠殺し脳を取り出した。腫張のない個体は覚醒させ鎮痛剤、抗生剤投与下に様子を観察し体調に問題ないものは2週間後、2ヶ月後に上記計測に加え末梢性ベンゾディアゼピン受容体の定量をも行った。2ヶ月followした後、屠殺し潅流固定の上病理変化を検証した。PET画像はネコのMRI画像(Varian社、4.7T)に重ね合わせ脳局所の定量値の経時的評価を行った。計測結果は正常ネコ6匹より得られた結果と対比検討した。直後から脳腫脹に至る重篤な虚血を生じた個体では、再潅流直後からアデノシンA1受容体結合能の広範な低下が生じていた。また生存したネコの梗塞巣に関し病理学的検討を加えると全ての個体で充分な虚血病巣が形成されているもののその個体差が大きいことが判明した。そしてこの個体差を判別する最も鋭敏な因子がアデノシンA1神経受容体結合能の定価であることを統計学的にも明らかにした。一方でこれほど鋭敏ではないものの中枢性ベンゾディアゼピン受容体結合能の低下がこれに次ぐ判別能を持ち、虚血時血流、再潅流時血流、再潅流後脳代謝はでは全く判別不能であることも明らかにした。この結果は第19回国際脳循環代謝シンポジウムで発表した上で論文投稿予定である。一方同一手法をてんかんモデルに応用するためのシステムセットアップは行ったが実際の実験の開始は次年度に持ち越すことになった。
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