研究課題/領域番号 |
10671299
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平賀 章壽 阪大, 医学部, 助手 (40243232)
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研究分担者 |
泉本 修一 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
大西 丘倫 大阪大学, 医学部, 助手 (70233210)
有田 憲生 大阪大学, 医学部, 講師 (80159508)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | gcm / GCMB / glial missing gene / cloning / brain tumor / glioma |
研究概要 |
gcm遺伝子は、ショウジョウバエ神経・グリア幹細胞のグリアへの分化を決定付ける転写調節因子として単離された。その既知のヒトホモログ(hGCMa)には核移行シグナルが存在せず、また胎盤より単離されていた。そこで、脳特異的なgcmホモログ(GCMB)を胎児脳cDNAライブラリーよりRACE法にてクローニングした。得られたGCMBのcDNAは2373塩基であった。予想される蛋白は506アミノ酸で構成され、N末端にgcmモチーフと呼ばれるすべてのGCMに共通のアミノ酸配列、また中央部に核移行シグナルとPEST様配列を認めた。既知のhGCMa蛋白との相同性はわずか46.5%であり、一方マウス脳由来のgcmホモログ蛋白(mGCMb)との相同性は68.4%であった。以上より、GCMBが、ショウジョウバエのgcmに相当する遺伝子と思われた。次にRT-PCR法を用いてGCMBのmRNA発現をスクリーニングしたところ、発現は脳と腎臓にのみされていた。しかし、培養腫瘍細胞株では、グリオーマ1/3株、髄芽腫3/3株、非神経上皮性細胞株4/8株に発現が見られ、低分化腫瘍での発現が顕著であった。さらに、この遺伝子が6番染色体24.2に存在することが確かめられ、同部位には精神分裂病、口蓋裂などの責任遺伝子の存在が示唆されており、GCMBとこれら疾患との関連を調べる価値があると思われた。以上の結果をFEBS Letterに掲載した。現在、抗体を作成し、蛋白レベルでの発現を検討している。また、未分化な中枢神経系腫瘍を中心として発現する本遺伝子の抑制、過剰発現により、腫瘍の増殖がどう変化するかを評価する手始めとして、GCMB発現ベクターを作成してEC細胞に導入し、分化・増殖抑制を検討している。
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