研究課題/領域番号 |
10671305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤澤 博亮 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (50238565)
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研究分担者 |
前川 剛志 山口大学, 医学部, 教授 (60034972)
伊藤 治英 山口大学, 医学部, 教授 (90019927)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 興奮性アミノ酸 / グルタミン酸 / 低体温 / 高体温 / 微小透析 / 組織学 / 一酸化窒素 / オートラジオグラフィー / ラット / 低脳温 / 免疫組織化学 / アポトーシス / 神経毒性 / 高脳温 |
研究概要 |
脳外傷や脳虚血におけるグルタミン酸の上昇は神経細胞障害に重要な役割を果たす。本研究では、グルタミン酸毒性に対する脳温の影響を検討した。全身麻酔下にラット頭頂葉に刺入した微小透析プローブに0.5Mのグルタミン酸溶液を潅流すると興奮毒性病変が形成される。実験は、正常脳温群(脳温・直腸温37℃)、低脳温群(脳温・直腸温32℃)、高脳温群(脳温・直腸温40℃)の3群で行った。グルタミン酸潅流から7日後のパラフィン切片にヘマトキシリン-エオジン染色を施し病変の体積を測定した。グルタミン酸による病変は、低脳温群で縮小し高脳温群で増大した。グルタミン酸の潅流から1、3、5日後に、GFAP抗体、ED1抗体を用いてアストロサイト、マクロファージの増殖と脳温の影響について免疫組織学的に検討し、Tunnel染色によりアポトーシスの関与を検討した。脳低温はマクロファージの増殖とアポトーシスを遅延した。ついで、回収した透析液中で一酸化窒素(NO)代謝産物を測定した。低脳温は正常脳温下で認めたNO代謝産物濃度の上昇を抑制した。2種のNO合成酵素阻害剤(L-NAME、7-NI)共にNO代謝産物濃度の上昇を抑制した。さらに^<14>Cでラベルしたシュクロースを混じたグルタミン酸溶液を灌流後、凍結脳切片からオートラジオグラムを作成し、^<14>Cの拡散の面積から拡散体積を算出して、細胞外液中の拡散に対する脳温の影響を検討した。^<14>Cシュクロースの拡散体積は脳温が高いほど増加した。以上の結果から、低脳温の脳保護効果と高脳温の悪影響の機序の一つとして、グルタミン酸興奮毒性に対する影響が重要であることが示唆され、脳低温の脳保護作用にグルタミン酸によるNO濃度上昇の抑制が関係することがわかった。さらに、脳低温の中枢神経細胞保護作用と高脳温の障害作用はグルタミン酸の細胞外液中の拡散に対する影響も関与していると考えられた。
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