研究分担者 |
相原 徳孝 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (00264739)
山田 和雄 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (90150341)
真砂 敦夫 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70209419)
加藤 泰治 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60094364)
岩田 明 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90275131)
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研究概要 |
セリン/スレオニンフォスファターゼであるcalcineurinはT細胞活性化に関与し,免疫細胞の分化・発達,免疫系疾患の病態に重要な役割を果たしている.FK506(tacrolimus)は新しい免疫抑制剤として臓器移植において臓器生着率向上に多大な貢献をしているが,その免疫抑制効果はFK506かimmunophilinと結合後,さらにcalcineurinと複合体を形成しcalcineurin活性が抑制されることによるとされている.calcineurinは中枢神経系特に海馬,線条体,大脳皮質にも多く分布しており,一方FK506にはグルタミン酸毒性,局所脳虚血,一過性全脳虚血に対する神経保護効果があることが近年報告されてきている.またcalcineurin活性化型遺伝子を導入した細胞において血清除去下では著名なアポトーシスが誘導され,そのアポトーシスはBcl-2との直接結合により抑制されることが報告された.これらから,種々の脳損傷後に起こってくるアポトーシスにもcalcineurinが関与している可能性があると考えた.本研究ではラットの再現性のあるびまん性軸索損傷モデルを用いて,calcineurin投与によってimmediate early gene,アポトーシス関連遺伝子,APP(amiloid precursor preotein)の発現に変化があるか調べた.しかしながら,本実験モデルでは有意な発現変化をとらえるには至らなかった.
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