研究課題/領域番号 |
10671349
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
緒方 敏子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80014314)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 骨芽細胞 / 機械刺激 / egr-1 / ERK / Shc / チロシンリン酸化 / 蛋白分解 / EGFR / EGF / EGFリセプター / bFGF |
研究概要 |
機械刺激が骨の細胞を刺激するメカニズムを明らかにするため、骨芽細胞様細胞株に培養液流動という刺激を負荷した。私は、既に、この刺激を受けた細胞が、刺激30分後に、egr-1mRNAの増加を示すこと、更に、この反応にはチロシンキナーゼが関与し、又、培養液中に血清が必要であることを見出していたので、本研究において、培養液流動がどのような蛋白をチロシンリン酸化し、そこに必要な血清中成分が何であるかを検討した。刺激前後のCell lysateのウェスタンブロッティング、及び、免疫沈降による研究は、ERK1/2、Shcを含む多くの蛋白のチロシンリン酸化の亢進が刺激後数分以内に起ることを示した。これらの反応は増殖因子刺激後に細胞に誘導されるものとよく似ている。そこで、無血清の培養液にEGF、又は、basic-FGFを添加してみた。これらの増殖因子は、無血清培養液では起こらないこれらの反応を回復した。これらの反応においてEGFはどのような役割をしているのかを明らかにするため、培養液流動後に起こるEGFリセプターの変化を検討した。結果は、EGFRの蛋白量が増加することを示した。この増加は、1分間の培養液流動後2分以内に起こり始め、10分前後をピークに、60分後には基礎値にもどった。この、刺激から反応が現れるまでの短い時間は、EGFR蛋白の合成促進ではなく、蛋白分解減少が起こっていることを示唆する。近年、proteaseが生体機能調節分子として重要な役割を果たしていることが明らかにされつつある。機械刺激のシグナル伝達にもproteaseが働いているかもしれない。今後、どのようなproteaseが今回見出した反応に関与しているのかの検討を進め、機械刺激が骨芽細胞内にシグナルを伝えるメカニズムの解明をさらに進めたいと考えている。
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