研究課題/領域番号 |
10671378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
都築 暢之 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10049794)
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研究分担者 |
斎木 都夫 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40215520)
阿部 良二 関越病院, 整形外科, 部長 (30193014)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 胸推後縦靱帯骨化巣 / 後方除圧法 / 胸髄後方移動阻害因子 / 胸椎後縦靭帯骨化症 |
研究概要 |
胸髄後方移動阻害因子には3主因子:縦因子(脊髄因子;後縦靱帯骨化巣上下の前方牽引作用)、縦横因子(硬膜因子;背側〜神経鞘部梗膜の脊髄押込み作用)、横因子(神経根因子;神経根糸が後縦靱帯骨化巣端から椎間孔に固定されることによる胸髄繁留作用)が存在する。縦因子は広範囲後方除圧と硬膜後方切開により、縦横因子は硬膜切開〜剥離により、横因子は椎間孔開放術と硬膜前側方剥離〜切開により除去可能である。これらを順次除去しつつ、脊髄の抵抗性を待ち、脊髄除圧を行った。必要な場合、後縦靱帯骨化巣端の切除〜錐体内前方以降を行った(段階的後方進入脊髄除圧法)。後縦靱帯骨化巣侵襲は3因子除去により安全・容易となった。解剖学的研究により、胸椎後弯頂点部における胸髄後方移動可能度(神経根〜神経根動脈に無理な変形を発生させない範囲)は、日本人成人で7mm程度と考えられた。胸髄後方除圧の問題点として(1)除圧中急性脊髄障害発生、(2)不完全脊髄前方除圧、(3)後方除圧後胸椎後弯度増加による脊髄障害発生、が報告されている。(1)は局所的な脳脊髄液の大量・急激な流入による脊髄障害と仮定し、これを回避する広範囲硬膜管拡大法を行うことにより、(2)は3胸髄後方移動阻害因子の除去により、(3)は広範囲頚胸椎脊柱管拡大術を用いることにより、いずれも解決することができた。この内、(1)の除圧中急性脊髄障害発生機序としての脳脊髄液流原因説は仮説であり今後さらに研究を要する。段階的後方進入脊髄除圧法による手術症例は15症例である。追跡期間は平均47ヵ月(範囲12-103ヵ月)で、神経症例改善度は術前JOAスコア(平均)4.4が、術後JOAスコア(平均)9.1(満点11点)に改善した。平林改善率(平均)は63%(範囲33-100%)であった。
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