研究課題/領域番号 |
10671391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
徳永 裕彦 関西医科大学, 医学部, 助手 (50163978)
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研究分担者 |
田辺 隆敏 関西医科大学, 医学部, 助手 (50268356)
小川 亮恵 (小川 亮惠) 関西医科大学, 医学部, 教授 (90077610)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 破骨細胞 / 滑膜細胞 |
研究概要 |
ムチランス部位より採取した滑膜組織中より破骨細胞活性化作用を有し、約1kDの分子量を持つ活性蛋白質の存在を強く疑う研究結果を得たため、第41回日本リウマチ学会、および第61回アメリカリウマチ学会にてすでに報告した。本研究では上記因子が全く未知の蛋白である場合は精製し構造を決定することを目的とし研究を開始した。この因子はムチランス変形を呈する関節より採取した滑膜細胞の培養過程上で一過性に出現した蛋白であり、この蛋白の分子量、および生化学的特性を上記の学会において報告したところ大きな反響を得た。その後、ムチランス型慢性関節リウマチ患者膝関節から全人工膝関節置換術施行時に滑膜組織を採取し培養した。培養開始一週後、培養上清を採取し濃縮後セファデックスG-15カラムにてゲル濾過し、分子量勾配に従って再び採取したサンプルを準備した。このサンプルを象牙片上に培養した破骨細胞に添加し、非添加の破骨細胞と吸収孔形成能を比較検討した結果、添加した破骨細胞は非添加の平均で約3倍の吸収孔を形成した。 次に吸収孔形成の促進作用が認められるサンプルチューブを電気泳動法にかけ、含有する物質の分子量を確認したが、0.5kDから12kDまで約6種類のピークを示した。それぞれのピークからフラクションを採取し、先ほどと同様に破骨細胞の吸収孔形成能に及ぼす影響を確認したところ、分子量が約1kDの蛋白を含むフラクションは吸収孔形成能を他のフラクションやコントロールと比較し有意に促進させた。そこでこのフラクション中の蛋白をDE52カラムを用いて、電気極性にてさらに細分化したサンプルを破骨細胞に投与し、再度吸収孔形成能を確認した結果、この活性化因子の蛋白を含むと考えられるフラクションを抽出することができた。 加えて、逆相高速液体クロマトグラフィーを用いて抽出したフラクションから蛋白を分離し、得られた3つのピーク部分の蛋白をそれぞれ再度破骨細胞に添加した結果、その内の1つに破骨細胞に対する吸収孔形成能活性化作用が確認できた。 最後にこのピーク部分から得られた蛋白を gas-phaseプロテインシークエンサーを用いてアミノ酸配列を決定することを試みたが、蛋白構造の確定には至らなかった。
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