研究課題/領域番号 |
10671440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
水本 一弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50239258)
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研究分担者 |
畑埜 義雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70115913)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 揮発性麻酔薬 / 一酸化窒素(NO) / 小胞体 / Ca流入 / 血管弛緩 / サイクリック GMP / 内皮 / チトクローム P450 / Ca流入因子 / cGMP / 血管内皮 / Ca^<2+>(カルシウムイオン) / チトクロームP450 |
研究概要 |
Thapsigargin(Thap)による内皮細胞小胞体(ER)内Ca^<2+>低下がcytochrome P450 mono-oxygenase(P450 MO)が活性化させ、Ca^<2+>influx factor である5,6-epoxyeicosatrienoic acid(5,6-EET)が生成され、細胞外からのCa^<2+>流入により細胞内Ca^<2+>が上昇する経路が明らかにされている。本研究では、内皮小胞体Ca^<2+>枯渇性Ca^<2+>流入によるNO産生に起因する血管弛緩に対する揮発性麻酔薬の影響を部位別に検討した。 先ず、摘出ラット大動脈リング状標本の等尺性張力変化を記録した。Phenylephrine(3×10^<-7>M)で前収縮させ、Thap(10^<-7>〜10^<-6>M)および5,6-EET(5×10^<-6>M)のよる弛緩反応を、1)揮発性麻酔薬、2)N^G-nitoro-L-arginine(L-NA)10^<-5>Mもしくはeconazole2×10^<-5>Mの存在下、非存在下でそれぞれ記録した。次に、ラジオイムノアッセイ法によりThap10^<-6>M投与5分後のラット大動脈cyclicGMP変化を揮発性麻酔薬存在下、非存在下で測定した。 Thapによる濃度依存性弛緩は、内皮除去、L-NAおよびeconazole処置により有意に抑制された。Thapによる弛緩は、揮発性麻酔薬により濃度依存性に抑制され、その程度は3MACでハロタン>イソフルラン>セボフルランの順であった。cGMPは、Thap投与後に有意に増加したが、ハロタンはこの増加に有意に抑制した。5,6-EETによる弛緩は揮発性麻酔薬には影響されなかった。 これらの結果より、Thapによる弛緩、内皮依存性・NO依存性であり、P450MOが大きく関与していることが示された。揮発性麻酔薬は、この機序による弛緩を抑制し、その作用部位は血管内皮のP450MOである可能性が示唆された。 現在、培養内皮細胞を用いてCa^<2+>の流入・流出とそれに対する揮発性麻酔薬の作用と部位について検討中である。
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