研究課題/領域番号 |
10671445
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
稻田 英一 (稲田 英一) 帝京大学, 医学部, 教授 (40193552)
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研究分担者 |
大野 太郎 帝京大学, 医学部, 助手 (40266292)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 脊椎麻酔 / 硬膜外麻酔 / 無呼吸 / ミダゾラム / プロポフォール / 低酸素血症 / 持続気道陽圧 / 高齢者 / 老人 / 鎮静 |
研究概要 |
脊髄麻酔あるいは硬膜外麻酔下に手術を受ける患者を対象として、少量の鎮静薬投与時の無呼吸の頻度と、低酸素血症についてEdenTraceIIを用いて検討し、EASを用いて解析を行った。同様の麻酔を受ける健康な成人患者を対照群とした。 鎮静しない場合、成年群では無呼吸発作は認められず、高齢者群では1.1回/時間の無呼吸発作が認められた。それに対し、少量のミダゾラムを投与した高齢者では、長時間持続する閉塞性無呼吸発作が頻発し、低酸素血症に陥る頻度が高かった。ミダゾラム平均0,7mg静注で、平均26秒持続する無呼吸発作が90分間に33.5回/時間起きたが、成年鎮静群では平均15秒持続する無呼吸発作7.4回/時間起きただけであった。高齢者鎮静群の50%で動脈血酸素飽和度が90%未満に低下したが、成年鎮静群ではそのようなことはなかった。硬膜外麻酔中にプロポフォール2mg/kg/hrという少量持続投与を行った場合も、高齢者鎮静群では無呼吸発作を起こす頻度が10.3回/時間と成年鎮静群の1.8回/時間よりも有意に高く、無呼吸発作も平均26秒と有意に長く持続した。動脈血酸素飽和度が90%未満となる低酸素血症を起こす頻度は、成年鎮静群で0%であったのに対し、高齢者鎮静群では50%であった。低酸素血症や高二酸化炭素症に対して、正常な状態では高血圧、心拍数増加などの循環系反応が起こるが、脊椎麻酔あるいは硬膜外麻酔下では、このような循環系反応は抑制されていた。 脊椎麻酔や硬膜外麻酔をうける高齢者では、ごく少数のミダゾラムやプロポフォール持続投与で無呼吸発作頻度が増加し、それに伴ない中等度の低酸素血症を起こすことがわかった。低酸素血症に伴なう循環系代償反応は抑制されていた。マスクによる持続陽圧呼吸で低酸素血症は改善された。
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