研究概要 |
オピオイドの呼吸中枢抑制は未だ解明されていない。我々は延髄呼吸ニューロンに対するオピオイドの影響を検討した。【方法】0-4日齢Sprague-Dawleyラット(n=165)脳幹脊髄標本の延髄呼吸性ニューロンからwhole-cell recordingをおこないmorphine, μ-opioid receptor agonist DAGO, κ-opioid receptor agonist U50488, δ-opioid receptor agonist DPDPEを投与し膜電位解析を行った。呼吸性ニューロンの運動性出力(以下fR)はC4-5から記録した。【結果】morphine, DAGO, U50488ではfRは有意に低下。Inspiratory (Insp)neuronでは静止膜電位(Em)は有意に過分極、膜抵抗(Rm)は有意に減少。テトロドトキシン環流後もEmは有意に過分極、Rmは有意に減少。Insp neuronではリズムジェネレーターであるPre-Inspiratory(Pre-I)neuronからの興奮性シナプス後電位(EPSP),抑制性シナプス後電位は消失しなかった。Pre-I, Expiratory(Exp)neuronは影響を受けなかった。ただしU50488ではごく少数のExp neuronが過分極し膜抵抗が減少した。反対側延髄電気刺激によりInsp neuronのEPSPは有意に延長。DPDPE投与ではfRは有意な変化を示さず、すべての呼吸性ニューロンに影響を与えなかった。テトロドトキシン環流後もEm,Rmは有意な変化は認められなかった。【総括】morphine, DAGO, U50488はInsp neuronを直接抑制した。Morphine, DAGO、 U50488は延髄呼吸性neuronに対し、前シナプス及び後シナプス性に作用した。
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