研究概要 |
1) ヒト膀胱癌培養細胞株7株(KK47,T24,KU1,KU7,SNK57,EJ1,NBT-2)においてcolony formation assayにより求めたcisplatin感受性はcisplatin蓄積量と有意に相関した。しかしcisplatinの排泄に関与が示唆されているMRP,cMOATのmRNA発現レベルとの間に明らかな関連は見られず、他の排泄機構の解析がさらに必要と思われた。また細胞内glutathione(GSH)量とcisplaatin感受性との間にも関連は認めなかった。 2) ヒト膀胱癌培養細胞株KK47より樹立したcisplatin耐性株KK47/DDP10,KK47/DDP20において、amphotericinBの併用により細胞内cisplatin蓄積量は有意に増加し、cisplatinへの感受性は非併用時に比べ2-3倍に増強した。またGSH合成の律速酵素γGCSの阻害剤であるbuthionine sulfoximineの併用により細胞内GSH量は親株と同程度にまで減少し、cisplatinへの感受性は約5倍に増強された。 3) Doxorubicin単独および多剤耐性克服剤verapamil併用膀胱内注入による表在性膀胱癌術後再発予防効果をrandomizedtrialにて比較検討し、verapamil併用群において有意な再発率の低下を認め、その有用性が明らかになった。
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