研究課題/領域番号 |
10671492
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
|
研究分担者 |
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
池田 英之 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40301494)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 腎癌抗原 / SEREX |
研究概要 |
ヒト腎癌由来細胞株を用いてcDNAライブラリーを作製し、大腸菌内で発現した蛋白に腎癌患者血清を反応させることにより、新しい腎癌抗原候補の取得を試みた。腎癌組織由来の4細胞株を各々培養して約10^8細胞から全RNAを抽出し、各0.5mgを混合後オリゴ(dT)によって精製した。5μgのポリA^+RNAからバクテリオファージcDNAライブラリーを作成した。腎癌細胞株cDNAライブラリーのスクリーニングの際、4検体の腎癌患者血清を用いて1献体につき約100万クローンを調べた。誘導試薬IPTGで組換体タンパクを発現させ、ニトロセルロース膜に転写し、100倍希釈患者自己血清を加え、さらに、アルカリフォスファターゼ標識抗ヒトIgG抗体を加えて発色させた。その結果、1検体から5、もう1検体から182の陽性クローンを得る事ができ、それは8種類の遺伝子に由来するクローンであった。8遺伝子のうち5遺伝子はリボソームタンパクやアクチン、フェリチンといった増殖や生存に必須な遺伝子であり、新しい腎癌抗原候補の取得に必要な条件とは異なる理由で検出されたと思われる。候補遺伝子の1つは機能未知のKIAA1102で、F boxやLIMドメインとの相同配列を持つタンパクであった。また、1検体から取られた182クローンの内176クローンを占めていたのがRhoGAP(PARG1)というGタンパクの信号伝達系遺伝子であった。KIAA1102とPARG1の発現タンパクは健常人血清や大腸癌、食道癌、膵癌患者血清とは全く反応が見られず、さらにPARG1タンパクでは10人中5人の腎癌患者血清との反応が見られたので、腎癌に特異的な新規の遺伝子である可能性が高い。今後、特異的なCTLを誘導できるかどうかについて検討する予定である。
|