研究課題/領域番号 |
10671508
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
|
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
杉村 芳樹 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (90179151)
|
研究分担者 |
立松 正衛 愛知県がんセンター, 病理学第一部, 部長 (70117836)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 前立腺 / 微小解剖 / 器官培養 / アンドロゲン / エストロゲン / TGF-α / 扁平上皮化成 / 増殖因子 / 偏平上皮化成 / 前立腺腺管 |
研究概要 |
前立腺の増殖および分化におけるエストロゲンの直接的な作用は未だ明かでない。本研究では、アンドロゲンとともにエストロゲンの前立腺増殖の制御機構における役割を検討した。 エストロゲンによる前立腺の扁平上皮化成はよく知られた現象であるが、その機構は明らかにされていない。マウス前立腺の器官培養系において、エストロゲンとTGFaが誘導する扁平上皮化成組織のサイトケラチンの発現の経時的変化を検討した。【対象と方法】前立腺の後側葉を微小解剖し,無血清培養液上に浮かべたフィルター上にて2-6日間器官培養した.培養条件としてはテストステロンの非存在下にEstradiol(E2,10-9M)あるいはTGF-α(20ng/ml)を添加し,サイトケラチン10と14およびエストロゲン受容体(ERa)の発現を免疫組織学的検討を行った。【結果】EstradiolおよびTGF-αとも前立腺線管の基底細胞の増殖を伴う高度な扁平上皮化成高度を示した。サイトケラチンの分布において、培養後2日で基底細胞の増殖とサイトケラチン14の強い発現を認め、4日から6日後にはサイトケラチン10とERαの発現を認めた。【考察】本研究により、E2とTGF-αは通常の前立腺上皮では認められないサイトケラチン10とERaの発現を誘導することが明かとなった。TGF-αはエストロゲンによる前立腺の扁平上皮化成の過程における介在因子としての役割を持つことが示唆された。前立腺の異常増殖疾患である肥大症および癌の発生機構においてエストロゲンが何らかの役割を持つことが示唆されている.本研究ではエストロゲンは直接前立腺上皮の基底細胞を増殖させ,この増殖動態はTGF-αの作用と同じであった.エストラダイオールおよびTGF-aの前立腺細胞の分化増殖およぼす影響に関してさらに検討が必要と考えられた。
|