研究課題/領域番号 |
10671549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山野 修司 徳島大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30166772)
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研究分担者 |
小松 淳子 徳島大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床)
山下 瑞穂 徳島大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床)
中川 浩次 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40314869)
檜尾 健二 徳島大学, 医学部付属病院, 医員(臨床)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 受精 / 卵の活性化 / 単為発生 / MPF / MAPK / 卵活性化 / 顕微授精 / 卵細胞質内精子注入法 / 染色体 |
研究概要 |
安全な卵の活性化の方法を確立することを目的に本研究を行った結果、以下の成績を得た。 1.ヒト体外受精・胚移植で未受精に終わった卵(採取23時間後)を5μMのカルシウムイオノフォアで5分間処理した後に10μg/mlのピューロマイシンを含む培養液中で5時間培養することにより90%の卵が活性化し、その内80%が1前核2極体を示した。この1前核2極体の活性化卵は精子ファクターによってもたらされる活性化卵と同じでここに精子由来の染色体があれば2前核2極体の正常受精卵となる。 2.マウス排卵卵を5μMのカルシウムイオノフォアで5分間処理した後に10μg/mlのピューロマイシンを含む培養液中で4時間培養することで、卵を活性化した。その結果、ヒト老化卵と同様に約90%の卵が活性化し、その内80%が1前核2極体を示した。この卵の前核のDNA含量を測定したところDNA含量は成熟卵のMII plateのDNA含量の半分であった。さらに染色体検査を施した卵14個の内12個がhaploidであった。 3.卵細胞内精子注入法の後、18時間経っても受精の兆候が見られない卵を活性化した。当教室における精子注入後の卵細胞内での精子存在率は79%である。処理した未受精卵の85%が活性化し、その内30%が2前核2極体を示した。2前核2極体の活性化卵の分割率は64%で、染色体検査を行った5個の卵の内4個が正常のDiploidを示した。 4.カルシウムイオノフォアとピューロマイシンで活性化した卵のmaturation promoting factor (PMF)とmitogen activated protein kinase(MAPK)を測定したところ、受精卵と同様PMFが最初に低下し、ついでMAPKが低下することが判明した。 以上の結果からカルシウムイオノフォアとピューロマイシンで活性化した卵では受精卵と同様PMFおよびMAPKが低下し、第二極体の放出ならびに雌性前核の形成をするが、ピューロマイシンが雄生前核の発現を抑制している可能性があり、現在マウス新鮮卵を用いて検討中である。
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