研究課題/領域番号 |
10671571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
兼子 智 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (40214457)
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研究分担者 |
石川 博通 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (60112679)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | アデニルプリン / アデノシン / 先体反応 / アデノシン受容体 / 精子 / ATP |
研究概要 |
1.精漿と血漿中のアデニルプリン量を測定した結果、両者ともアデニルプリンが存在し、精漿総アデニルプリン量は血漿の約10倍であった。プリン構成比は、血漿ではATP、ADPが93.8%を占め、アデノシンは1.6%であったのに対し、精漿ではアデノシンが約60%占め、精漿のアデノシン濃度は血漿の約360倍であった。 透析精漿に合成ATPを添加して脱リン酸化を経時的に観察すると、ATPは30分以内に99%が消失し、ADPが出現し、最終的にアデノシンに分解された。一方、血漿に添加したATPは脱リン酸ではなく、直接脱アミノされることによりアデニルプリンが消失し、精漿と血漿では分解mannerが異なることが示された。2.先体反応の観察法の改良を行い、FITC-Con A(緑色蛍光)ならびにDNA染色試薬であるプロピウムアイオダイド(赤色蛍光)を用いて2重染色し、さらにαメチルマンノシド(7.0mM)で非特異染色をカットオフすることにより、より定量的な測定が可能となった。3.in vitroでは精漿を除去すると先体反応が自発的に誘起するが、アデノシン存在下では精漿を除去しても先体反応誘起が抑制された。4.アデノシンA1受容体作動薬(PIA)は先体反応誘起を抑制した。2.アデノシンA1受容体選択的拮抗薬(FK-352、FK838)は濃度依存的に先体反応誘起を促進した。5.アデノシンA1受容体拮抗薬による先体反応誘起促進はL型Caチャンネルブロッカーにより消失した。6.アデノシンA2受容体作動薬、拮抗薬は先体反応に影響しなかった。7.ATPにより先体反応誘起に要する時間の短縮が見られた。 以上の結果から、精液中ではアデノシンA1受容体を介して先体反応の誘起を抑制している可能性が示された。アデノシンA1受容体はG蛋白質を介してL型カルシウムチャネルを制御していることが報告されており、洗浄によるアデノシンの除去が先体反応の引き金である可能性が示唆された。
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