研究課題/領域番号 |
10671582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中村 正 山形大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 助教授 (10125776)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | サッケード / 三次元解析 / 記憶誘導性サッケード / antisaccade / 内外転 / 上下転 / 垂直性サッケード / 斜向性サッケード / 急速眼球運動 / 眼球運動解析 |
研究概要 |
【目的】サッケードはトリガーの差異により視覚誘導性サッケード(REFLEX)、記憶誘導性サッケード(REM)、antisaccade(ANTI)、また方向により水平、垂直、斜向性サッケードに分けられ、各々神経機構が異なることが推測される。さらには眼球内外上下転、正中位から側方位(向側方位)か側方位から正中位に戻る(向正中位)方向などによっても影響を受ける。本研究の目的はこのような各種サッケードにおける特徴を明らかにすることである。 【方法】正常被験者を対象にして、サーチコイル法により眼球運動を記録しコンピュータで解析した。REFLEX、REM、ANTIを各々誘発し、これを振幅と速度との関係からその差異を検討し、また内外上下転、向正中位、向側方位のサッケードを抽出しその特徴を検討した。 【結果】サッケード速度は、REFLEX、ANTI、REMの順に低下したがREFLEXとANTIは値の分散が少なくREMは著しく分散し,3様の特徴を示した。サッケードは狭い視標振幅では外転が速く、広い視標振幅では正中位に戻る場合に速度が上昇した。垂直性サッケードでは上転のみが速かった。水平成分の斜向性サッケード速度は同一ではなく、傾きの増大にしたがい速度が低下し、垂直成分は逆の傾向を示した。 【結論】REFLEXは実際の指標に向かう急速眼球運動であるがREM、ANTIは存在しない指標がに向かう急速眼球運動である。一方、REFLEXとANTIは網膜上の視覚情報をトリガー(外部トリガー)とする急速眼球運動であるが、REMは記憶された視標位置情報をトリガー(内部トリガー)とする急速眼球運動である。今回の結果はこれらの差異に起因する。内外転などの影響は狭い視標振幅に限られる。広い視標振幅ではむしろ眼位の影響も強く受ける。斜向性サッケードは水平、垂直眼球運動機構が独立して構成されているのではなく、両者の機構は相互に干渉している。
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