研究概要 |
平成10年度:ddy-Conventionalマウスを用いて伺種嗅粘膜移植を行った。手技的には鼻腔内に他の動物の嗅粘膜を移植することは可能であった。しかし,成熟マウスをドナーとして用いた場合には,一定期間観察後,移植組織は残っていなかった。幼弱なマウスをドナーとして用いたところ,何らかの上皮組織は生着したが,神経系のマーカーによる免疫染色で染色されず,また,その組織がドナーの組織かレシピエントの組織かの鑑別も困難であった。 平成11年度:移植組織の同定がより簡単なLacZを組み込んだトランスジェニックマウスをドナーとして移植を行った。しかし,移植片の生着は認められなかった。 平成12年度:ドナーとして近交系マウスのC57BL/6を用いて移植を行った。あらかじめドナーの嗅球を除去し成熟嗅細胞を変性脱落させ,嗅上皮内には幹細胞である基底細胞と幼弱な嗅細胞,それに支持細胞のみが存在する状態にして移植した。しかし,現在のところ,移植組織の生着は認められていない。
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