研究課題/領域番号 |
10671607
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山根 英雄 大阪市立大学, 医学部, 教授 (60145787)
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研究分担者 |
久保 武志 大阪市立大学, 医学部, 講師 (60271194)
井口 広義 大阪市立大学, 医学部, 講師 (70271195)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | グルタメート / 内耳 / 細胞死 / 一酸化窒素 / アミノ配糖体 / シスチン / アポトーシス / ネクローシス / 感覚細胞 / 蝸牛 / フリーラジカル |
研究概要 |
一酸化窒素(NO)の内耳に与える影響を検討した。NO供与体であるNOC-5をモルモットの内耳正円窓に留置し、時間経過(12、28、72時間後)による内耳蝸牛有毛細胞の影響を検討したところ、12時間目では無変化であったが、28時間目の群において外有毛細胞のアポトーシスが散在性に観察された。培養系によるNOのin vitro実験では濃度依存性に内・外有毛細胞にネクローシスの様相が観察された。NOは蝸牛有毛細胞にその濃度、暴露時間の差により、ネクローシスおよびアポトーシスの両変化を与えることが判明した。モルモットの内耳正円窓にグルタメートを留置し、12-72時間の時間経過による蝸牛有毛細胞の変化を検討したところ、時間経過と共に外有毛細胞の細胞死が認められ、72時間後では100%の細胞死が確認された。その細胞死はネクローシスの様相を呈した。モルモット蝸牛をシスチンの濃度を変えて培養してみたところ、シスチンの濃度依存性に蝸牛有毛細胞死の回避を認めた。これは、細胞外大量のグルタメートによる蝸牛感覚細胞死はグルタメート/シスチン交換輸送系を介した細胞死と推察された。モルモット内耳正円窓にグルタメートを留置すると、感覚細胞に一過性の一酸化窒素(NO)の上昇をみた。また、内有毛細胞下部のシナプスに変性を認めた、これは、グルタメートによる内耳感覚細胞障害がNOによる可能性を示唆している。モルモットにアミノ配糖体薬物を負荷すると、前庭感覚細胞にNO合成酵素の誘導がこり、前庭感覚細胞がアポトーシスにおちいる。NO合成酵素阻害剤や、サイクロヘキサミドがNO合成酵素阻害を惹起させ、また、前庭感覚細胞死も著明に抑制された。このことは、アミ御配糖体による前庭感覚細胞死にNOが関与していることを示すものである。
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